今後のEMS事業のひとつとして期待されるドローン製造

 EMSを担うキョウデンプレシジョンでは、さまざまな顧客の製品を同時並行的に製造しているため、現在、Nile-JZを1機製造する期間は1か月程度となっている。しかし、部材さえ揃っていれば1週間以内で作ることもできるという。また、最大で月産200~300台を生産する能力があり、今後Nile-JZの販売が伸びても、十分その需要を受け入れることができるとしている。

 キョウデンプレシジョンではさまざまな産業分野の製品を製造しているが、例えば自動車分野であれば部品レベルの供給は行っているものの、セット品としては工場が IATF(国際自動車産業特別委員会)の IATF16949の認証を取得していないため、それを求める顧客からの依頼には応えられないといった制約がある。医療分野では IAO13485が求められる医療機器の製造委託も受けられない。そのため今後は少量多品種の供給が求められる半導体製造装置に付随する制御装置や、EVの蓄電関連機器の分野を伸ばしていきたいという意向がある。

 同社では、そのような分野のひとつとしてドローン産業を捉えている。そのため、同社ではナイルワークスをはじめ、Nile-JZ以外の新しいドローンの製造にも対応できると意欲を示している。今後敷地内に第二工場を建設する予定があり、そこにはさらに大きな飛行エリアを設置することも視野に入れているという。

キョウデンプレシジョンでNile-JZの製造に携わるスタッフ(左)と、ナイルワークスのエンジニア。