2025年3月31日、テラ・ラボは、2025年1月から3月にかけて、滑走路が不要な垂直離着陸型の長距離固定翼無人航空機「テラ・ドルフィンVTOL」について累計50時間の性能評価試験を行ったことを発表した。

 日本国内では、最大離陸重量25kg以上のドローンは通常より厳しい規制があり、「機体を整備することにより100時間以上の飛行に耐え得る耐久性を有すること」とされている。

 同機は、2025年5月に累計100時間に達する見込みだ。

写真:飛行する「テラ・ドルフィンVTOL」
2025年3月28日の飛行試験の様子

 テラ・ラボが開発を進める固定翼型無人航空機テラ・ドルフィン(翼長4m)は、MPPモデル(Multi Purpose Platforms、多目的プラットフォーム型無人航空機)として開発されており、制御装置や推進装置、観測装置を選べるなど、さまざまな用途に対応する。

写真:展示された「テラ・ドルフィンVTOL」
県営名古屋空港ターミナルビル「テララボ災害対策オペレーションセンター」に展示された同型機

 固定翼の無人航空機は長距離を飛行できる一方、離着陸時には滑走路が必要とされ、運用上の課題となっていた。そこで同社は、長距離飛行ができる特性を持ちながら滑走路が不要なVTOLの実装化を目指してきた。

 テラ・ドルフィンは、「2019-2021度、地域復興実用化開発等促進事業補助金(福島県)」を活用し、プロトタイプの飛行試験を実施。「2023-2024年度、新あいち創造研究開発補助金(愛知県)」により、垂直離着陸が可能な固定翼機の量産化に向けて機体の性能評価試験を行ってきた。

 今後、日本国内においてカテゴリーⅡ(目視外飛行等)の実証実験を行い、早期実装化を目指すとしている。

【機体スペック】

全長2900mm
全幅4300mm
全高975mm
機体重量40kg
巡航速度70〜150km/h

【飛行試験(機体の性能評価試験)】

期間2025年1月~3月
場所国外(未公表)