2024年3月28日、ワールドスキャンプロジェクト(以下、WSP)は、磁界の存在を検出し、磁場の強度と方向を測定するためのリモートセンサー「JIKAI」を開発したことを発表した。従来では困難とされていたドローンなどの移動体に搭載した状態で、高品質な磁場計測を実現する。同社は2025年の量産化を目指すとしている。

 従来の金属探知センサーは、オフセット(強力な磁石などを近づけた前後でゼロ点がずれてしまう現象)による信頼性の有無と、ノイズによる信号雑音比(S/N比)のレベルが課題であった。例えば、手持ちでの探査では対象物の近くで計測する必要があり、データ品質を維持するためにセンサーの姿勢が大きく変わらないような工夫が必要だった。ドローンに搭載する場合も、高度0.5m程度の低空飛行が推奨され、センサー自体の重量・サイズから大型ドローンにしか搭載できなかった。

 JIKAIは、重さ約1kgほどの小型ドローンにも搭載が可能。独自開発した検出技術は、姿勢変化が大きいドローンでもパフォーマンスを発揮する。

 すでに磁化された直径20mm、長さ0.5mの鉄棒(500ポンド爆弾相当)を探索対象とした模擬試験では、従来製品は7mの検知距離だったところ、開発品は20m以上の検知距離を実現した。検知距離性能の向上によって、地表近くでの運用といった制約がなくなり、安全で効率的な探査が可能となる。水深1000m以深の観測にも成功しており、地球最深部調査への対応も可能だ。

 アステロイド(小惑星)の資源を採掘するアステロイドマイニングのための探査、地雷や機雷の探査、考古学などの探査、そのほか産業用センシング、医療応用、宇宙航空用途、セキュリティーなどへの活用が見込まれる。

JIKAI -Next-generation Edge AI sensor-(WORLD SCAN PROJECT)