2024年3月28日、伊藤忠商事は、同社が資本業務提携・販売代理店契約を締結しているドイツのドローン開発・製造企業であるWingcopterが、無人航空機(ドローン)の型式認証制度において第一種型式認証の申請を行い、国土交通省航空局に受理されたことを発表した。海外メーカー製ドローンの型式認証申請の受理は初となる。

 審査対象となるのは、WingcopterのeVTOL型ドローン「Wingcopter198(W198)」。自社で製造・開発するティルトローター(※1)機構を備え、固定翼機でありながらマルチローターのような垂直離着陸・ホバリングが可能。飛行は全自動で行う。

※1ティルトローター:垂直・短距離離着陸のための手法のひとつで、ローター(プロペラに似た回転翼)を機体に対して傾けること。

 2022年12月の改正航空法により、レベル4(有人地帯における目視外飛行)が解禁され、ドローンの活用領域が大きく拡大した。第一種型式認証は、レベル4飛行を目的とした機体の設計および製造過程が安全性および均一性に関する基準を満たしていることを証明するもの。第一種型式認証が交付された際には、所定の手続きを行うことでレベル4相当の飛行が可能になる。

 伊藤忠商事とWingcopterは、ドローンによる血液製剤輸送の社会実装に向けた医学的検証のための実証実験を2023年5月に実施。温度管理や長距離安定移動について品質管理面とともに検証し、有効な物流手段の一つとして固定翼式ドローンの可能性を示した。

 両社は今回の申請を通じて、W198を利用したドローン配送ネットワークの構築を進めるとしている。

【機体スペック】

モデルWingcopter198
最大積載量最大4.5kg
耐風性平均15m/s、突風時20m/s
巡行速度(標準)90km/h
最大飛行距離110km
本体L167cm×W198cm×H66cm
本体重量24.9kg