2024年3月27日、DJIは、産業用自動ドックソリューション「DJI Dock 2」の販売を開始した。特別設計のドローン「DJI Matrice 3D/3TD」と、機体を収納する軽量型ドックで構成されるドローン・イン・ア・ボックス（DiaB：自動的にドローンを展開し、自己完結型の着陸ボックスに戻すシステム）は、設置・運用が簡単で、費用対効果に優れる。
ドローンオペレーションをクラウドベースで管理するオールインワン型プラットフォーム「DJI FlightHub 2」に対応し、自動化された飛行ミッションの管理やモニタリングを行うことができる。
DJI Dock 2
DJI Dock 2は、前モデルと比較して大幅に小型・軽量化。オペレーション能力が向上し、クラウドベースのスマート機能を提供する。DJI FlightHub 2を併用することで、収集した飛行データをもとに高精度の3Dモデルを作成可能。この情報を使用して、次の飛行ミッション時にドローンが自動でカメラ角度を調整し、同じエリアを撮影できるようにプログラムすることもできる。
DJI Dock 2の重量は34kg、長さ570mm×幅583mm×高さ465mm。前モデルと比較して約75％小型化、68％軽量化し、大人2人で運ぶことができる。
DJI Dock 2は、設置前にドローンのビジョンセンサーを使用して現場の状況を評価し、飛行経路や目的地のGNSS信号の強さを確認する。これにより設置場所の選択にかかる時間を、従来の5時間から12分以内へと大幅に短縮する。準備ができるとプロペラを点検し、2つのRTKアンテナを使用して正確な位置情報を取得後、1分以内に離陸する。
厳しい天候や環境下でも安定した動作が可能。保護等級IP55の防塵・防水性を備え、雨量計、風速計、温度計を搭載し、リアルタイムで気象の変化を検知する。オンラインの天気予報に加え、DJI FlightHub 2を介して適宜警告を発したり、飛行タスクを中止したりすることができる。
DJI Dock 2は自動でミッションを遂行するようにプログラムできる一方、オペレーターが飛行やジンバル角度を制御することも可能。ドックの内側と外側に魚眼レンズを備えており、オペレーターは天候や周辺環境の状況、機体の離着陸を離れた場所からでもリアルタイムに確認できる。
ドック内に格納されたドローンのバッテリーは、約32分で20％から90％までワイヤレス充電が可能だ。
DJI Dock 2のメンテナンス間隔は半年に1回。内蔵バッテリーを備え、停電が発生した場合は独立して5時間運転し続けることができ、ドローンが帰還して着陸する時間を確保する。また、DJI FlightHub 2は、飛行タスクが失敗した場合にはメールで通知を行い、オペレーターが問題に対応することができる。
DJI Matrice 3D/3TD
DJI Matrice 3D/3TDは、RTKアンテナを内蔵し、全方向障害物検知や自動障害物回避機能を搭載している。最大飛行時間は50分、動作半径は約10km、保護等級IP54の防塵性と防水性に対応。充電サイクルは最大400回。
DJI Matrice 3Dは、自動マッピング・測量用に設計されており、望遠カメラ（1/2インチCMOS、35mm判換算162mm相当、有効画素数1,200万画素）、メカニカルシャッターを備えた広角カメラ（4/3型CMOS、35mm判換算24mm相当、有効画素数2,000万画素）を搭載し、1:500スケールの高精度マッピングタスクの要件を満たす。
安全業務や点検業務用に設計されたMatrice 3TDは、Matrice 3Dと同じ望遠カメラと、Matrice 3Dとは異なる広角カメラ（1/1.32インチCMOS、35mm判換算24mm相当、有効画素数4,800万画素）を搭載。さらに、赤外線カメラ（35mm判換算40mm相当、ノーマルモード解像度640×512、UHR（超解像度）赤外線画像モード解像度1280×1024、28倍デジタルズーム）を備え、可視光画像とサーマル画像の両方に対応する。
DJIはオープンエコシステムをサポートしており、DJI製とサードパーティー製のペイロードをニーズに合わせて使い分けることができる。例えば、DJI Dock 2は、DJI TerraAPIを使用して2D/3Dモデル再構築を実行したり、DJI FlightHub 2を使用してクラウドベースでのオペレーションを実行したりすることが可能。DJI Matrice 3D/3TDに搭載されたE-PortやE-Port Liteを使用して、拡声スピーカーやスポットライト、パラシュートのようなサードパーティー製ペイロードを取り付けることもできる。
▼DJI Dock 2
https://enterprise.dji.com/dock-2
