2024年3月26日、日本化薬は、同社が開発するドローン用安全装置「フロートパラシュートシステム」を搭載したドローンを用いて、水上太陽光パネル点検の検証を行ったことを発表した。

 フロートパラシュートシステムは、水上を飛行するドローンに対応した安全装置で、水に浮く機能(フロート)と、落下衝撃を緩和する機能(パラシュート)を一体化したもの。水上に墜落してもパラシュートで衝撃を緩和し、フロートで浮揚するため機体を回収することができる。

 水上太陽光パネルや洋上風力発電設備の点検、河川・海上空を活用した物流など、水上でのドローン活用が進んでいる。ドローンの安全な運用や環境への影響に関する意見や課題に対して、同社はフロートパラシュートシステムを開発。同装置が実際の点検・物流業務などに支障がないかを確認するために検証を実施した。

 その結果、点検業務において、マニュアル飛行では同システムの有無で操縦感の違い等はなく、ミッション飛行への影響もなかった。太陽光パネル点検についても撮影画像等への影響はなかった。

 飛行時間の検証は、高度40mでミッション飛行(11分39秒の飛行)をシステム搭載「無し」と「有り」の状態で実施。10分以上の飛行を行い、搭載の有無でバッテリー減少量の差は5%のみだったため、飛行時間への大きな影響はなしとした。

バッテリー残量の減少量を計算した表