2020年11月19日、自律制御システム研究所(以下ACSL)とPhase One Japan(以下Phase One)は、Phase Oneの超高解像度カメラ「iXMシリーズ」を、ACSLが開発したドローン「ACSL-PF2」に搭載した、インフラ点検用ドローンの提供を開始したことを発表した。

 このドローンは超高解像度の空撮が可能で、広い範囲を短時間で撮影し、空中写真測量の効率化が図れる。接近困難なインフラ構造物も、離れた位置から全体像を捉えつつ、一部分を拡大し精細に確認することができる。取得した画像は、三次元化やAI判定などポストプロセッシング処理を短時間で実行することも可能になる。

 ACSLは国産の産業用ドローンを開発しており、物流、インフラ点検、災害等、様々な分野で採用されている。同社が多くの実績を有するプラント点検では、プラント外の配管や壁面をドローンに搭載したカメラを用いて遠隔操作で撮影し、その画像から配管の腐食や壁面のひび割れ等を判断するが、近接できない構造物を遠方から撮影する場合、画像の質が点検画像として使用できない場合がある等の課題があった。

 Phase Oneは、産業用カメラシステムおよびソフトウェアの研究・ 開発・製造をしているデンマークに本社を置くカメラメーカーである。同社の超高解像度カメラiXMシリーズは、ドローンで飛行しながら広範囲に精細な画像撮影ができる。地上からカメラの操作ができることから、空撮での点検や測量に適しており、ACSLのインフラ点検用ドローンに搭載することで、より効率的な点検を可能にする。

iXMシリーズを搭載した「ACSL-PF2」の特徴

・1億5千万画素および1億画素の超高解像度カメラを搭載することによる精密な画像撮影
・ドローンが自動航行で飛行している間でも、地上から露出調整ならびに任意のウェイポイント(あらかじめ決めておいた飛行ルートの地点)や、インターバルでシャッターを制御することが可能
・三次元化やAI判定などに最適なダイナミックレンジが広い高解像度画像
・アームとボディの一体成型により強度や防塵・防水性能が向上(カメラはiP53適合)

インフラ点検用ドローンACSL-PF2
超高解像度カメラiXM 100MP