2020年11月17日、自律制御システム研究所(以下ACSL)とA.L.I. Technologies(以下A.L.I.)は、安全なドローン運搬システムの構築に向け連携を開始することを発表した。

 両社はドローンの物流産業という配送以外にも、ドローン利活用の多様化によって「モノを運搬する」ニーズ拡大を実感しこれに着目。本連携によって、ACSLの産業用ドローンにおけるハードウェアテクノロジーとA.L.I.のソフトウェアテクノロジーを組み合わせることで、運搬システムの信頼性向上と商用利用に向けた実用化を早期に確立する。すでに具体的なクライアントニーズも獲得し、来年度の早期商用化を目指すとしている。

 ACSLは、これまで物流・インフラ点検・災害領域での産業用ドローンを社会実装することで、様々な現場の課題を解決してきた。中型ドローン「ACSL-PF2」および小型ドローン「Mini」を開発し、それぞれの環境、課題に合わせカスタマイズすることで市場を拡大してきた。さらに、2020年8月に中期経営方針「ACSL Accelerate 2020」を公表し、2022年の有人地帯上空での目視外飛行(レベル4)に関する規制整備が整う見通しの中で、よりセキュアで信頼性の高いドローンの開発・量産化を推進している。

 A.L.I.は、昨年11月に大型の資金調達を実施しており、出資した多くの事業会社とオペレーションが始まっている。社内にて機体の開発・カスタム対応を行う体制を有しており、顧客のフィードバックを元に独自の機体開発にも力をいれている。ACSLとの連携によって高品質な運搬システム構築を早期に実現し、新たな社会実装に向けたメイドインジャパンのドローンシステムを確立させる。

ドローンのレベル4飛行(目視外、補助者無し、有人地帯)

小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会(第14回)発表「空の産業革命に向けたロードマップ2020~我が国の社会的課題の解決に貢献するドローンの実現~」より

自律制御システム研究所(ACSL)とは

 ACSLは、産業分野における既存業務の省人化・無人化を実現すべく国産の産業用ドローンの開発を行っており、特に画像処理・AI のエッジコンピューティング技術を搭載した最先端の自律制御技術と、同技術が搭載された産業用ドローンを提供している。既にインフラ点検や郵便・物流、 防災などの様々な分野で採用されている。https://www.acsl.co.jp/

A.L.I. Technologiesとは

 A.L.I.は、AI搭載型ドローンをはじめ各種ソリューションビジネスを展開するドローン・AI事業、世界中のコンピューティングパワーをシェアリングする演算力シェアリング事業、サステナブルな社会を創造する電力ソリューション事業、実用型ホバーバイクの販売を目指すエアーモビリティ事業を展開している。https://ali.jp/