ドローンパイロットの育成、派遣などを展開するスカイエステートは、2020年7月1日より「ドローン操縦士技能検定(初級・上級)」を開始した。管理団体として、国内ドローンパイロットの操縦スキル向上、各ジャンルにおける人材の育成や有効活用を目指す。

 同社は、運営するドローンスクールにおいて、ドローン操縦のホビー需要から、起業時のビジネスコンサルティング、プロフェッショナルな人材育成など、幅広く対応したカリキュラムを展開してきた。そうしたなか、ドローン操縦士のスキル可視化は優先度の高い課題だと認識していたという。本検定は、操縦スキルを可視化することにより、パイロットの安全飛行をサポートするとともに、発注者がパイロットに仕事の依頼ができる技術指標となることを目指している。
 ドローン操縦士に関する課題は山積しているという。実際に、同社で展開する建物外壁調査において、ドローン操縦中にGPS装置がロストするアクシデントが起きるなど、現場では気象や風速を捉えながら操縦するスキルが求められおり、スキル可視化はドローンのビジネス活用において必須の課題である。

ドローン操縦士技能検定(Drone Pilot Skill Evaluation Test)について

 ドローン操縦士技能検定は、トプコン社製のトータルステーション(以下TS)を活用し、飛行軌跡を分析評価して操縦スキルを検定する。検定試験は、同社が展開するスクールのオープンコース、アドバンスコース、インストラクターコースのカリキュラムに組み込まれている。また、既に操縦士免許を保有していれば、全国から受験(有料)できる体制を整えている。年4回まで受験でき、測定結果は受験生にデータで発行される。

1. 飛行したドローンの軌跡をTSで追尾し、飛行軌跡を測定

2. 飛行軌跡の測定結果を特定のアルゴリズムで計算し、操縦スキルを5段階で判定(飛行ルートの正確性、鉛直方向、水平方向、速度、ふらつきの5段階評価)

3. 評価の低い項目は同社スクールのインストラクターより指導を受けることが可能

※ 将来的には、同社が運営するドローンパイロットマッチングアプリ「SORAeMON」と連動し、パイロットのスキル評価の一部として表示させる予定。

 今後同社は、国土交通省登録管理団体として、2022年のドローン操縦の免許制を見据え、全国のドローンパイロットが安心安全に飛行させる場を継続して提供していく、としている。
 具体的には「ドローン操縦士技能検定」の他、昨年4月に開校した「マイクロドローンコース」や、同社が有する200棟超の外壁調査実績を基に、現場で実践可能な独自カリキュラム「外壁調査プロフェッショナルコース」(2020年9月開校予定)などの専門コースを順次提供する。また、法人向けのドローン導入コンサルティングサービスや、出張スクールなど、法人に特化したスクール展開を予定している。