2020年2月18日、センシンロボ ティクスは、総務省消防庁が行うドローン指導者を育成する「ドローン運用アドバイザー」の 育成研修の講師として参画し、2020 年 1 月 29 日(水)~31 日(金)の 3 日間、福島ロボット テストフィールドにて研修を実施した様子を発表した。

 ドローンはヘリコプターが近づけない現場等での活用が期待されている。大規模な火災の場合、熱画像カメラを搭載して飛ばせば、火元の特定や被害状況の把握につながる。また、土砂崩れ等の災害現場では、行方不明者の捜索にも役立つ。総務省消防庁では、災害現場での更なるドローンの利活用のため、操縦に精通した消防職員を育成する方針で、2019年度後半から全国の消防職員を対象に研修を始め、参加者を『ドローン運用アドバイザー』に認定。2023年度までに計135人を育成し、ドローンを導入していない消防本部を対象に講師役として派遣するとしている。

 ドローン運用アドバイザー育成研修は、ドローンを導入していない消防本部に派遣する講師=『ドローン運用アドバイザー』を育成するために実施した。今回は研修の初回として全国から集まった消防職員15人へ研修を行った。

実施内容

 操縦訓練は、2020年1月29日(水)~31日(金)の3日間、福島ロボットテストフィールドで実施された。初日は屋内試験場にて基本的なドローンの操縦訓練を行い、2日目、3日目は市街地フィールド、瓦礫・土砂崩落フィールドにて実際の土砂災害や火災現場を想定し、ドローンを使用して捜索する訓練を実施した。

1. 可視光カメラ・赤外線カメラを使いこなし、要救助者の場所を特定
 がれきの下敷きになり目視では確認できない位置にいる人を、ドローンに搭載されている可視光カメラ・赤外線カメラを使い、要救助者の場所を特定する訓練を行った。

2. ズームカメラを使いこなし、対象物を鮮明にカメラに写す
 また、訓練用能力レーンのバケツの中身をカメラの画角に入るように写し、ズームカメラを使いこなし、対象物を鮮明にカメラに写す訓練を行った。この訓練は、ドローンの操作や、対象物を正確に識別・内容確認ができるかを評価するために行われた。

 訓練に参加した消防職員は「安全に関する訓練、自分の技術を磨くことができました。今後の消防業務に活かしていきたいと思います。」「3日間の研修で学んだ技術を持ち帰って県内に広めていきたい。」「ドローンのすばらしさ、安全配慮の難しさなど、多くのことを学ぶことができました。本部に戻ったら、学んだ技術を多くの職員に還元していきたいと考えています。」などと述べた。

 今回本研修を修了した消防職員15名は『ドローン運用アドバイザー』に認定された。総務省消防庁によると、全消防本部726本部のうち201本部が無人航空機を保有していますが、活用実績があるのは139本部にとどまっているとのこと。*(令和元年6月現在)

 今後『ドローン運用アドバイザー』は各地に派遣され、災害時の効果的・効率的な情報収集を行うためのアドバイザーとして活動を行う。

 同社は、ドローンを始めとするロボティクス技術を活用した防災・減災に貢献にしていく、との方針を示した。

*総務省消防庁「令和2年 消防の動き」より引用
https://www.fdma.go.jp/publication/ugoki/items/rei_0202_11.pdf