エンルートラボは2017年9月20日、ドローンに搭載する小型のフライトレコーダーを開発したと発表した。エンルートラボが開発したドローン機体のみに対応する。機体の傾きや速度、 GPS(Global Positioning System)で捉えた航行軌跡、 モーターの出力、 操縦担当者の操作状況などといったデータを記録し、ドローンが事故で墜落したときなどに、墜落原因を究明する上で貴重なデータを提供する。
墜落した機体が浸水する可能性も考えて、データは産業用の防水型マイクロSDカードに記録する。発見、回収後はそのカードからPCでデータを読み出し、専用ソフトウェアで各種データを解析できるとしている。
墜落時に衝撃がかかることも想定して、ドローンへの搭載方法も工夫した。アルミニウム合金とポリアセタール樹脂(POM)でできたケースに収めて、衝撃に耐えられる構造にしてドローンに搭載する。また、ケースは開封すると記録が残る仕組みになっており、悪意のある人間によるデータ改ざんの可能性を確認することができるという。
さらに、ドローン墜落後に捜索担当者が発見しやすくするように2つの機能を搭載している。1つ目はBluetooth Low Energy(BLE)のビーコンで現在位置情報を発信する機能。適切な機器でビーコンを受信できれば、墜落機体の位置がすぐに分かる。
しかし、BLEの電波はそれほど遠くまでは届かない。そこで2つ目の機能としてブザーを均す機能を搭載している。音が鳴る場所を探していけば、墜落機体を見つけられるというわけだ。これらの機能を持たせるために、ドローン本体の電源とは別に、フライトレコーダー専用の電源も備えており、墜落後30分から数時間はこれら2つの機能が働くという。
エンルートラボはドローン機体の紛失は、搭載蓄電池の発火に端を発する山火事などの災害につながる恐れがあるため、墜落したこことが判明したら速やかに回収する必要があると強調する。さらに、墜落したドローンの機体を紛失したままにすると、ドローン動産保険の適用外となり、保険金を受け取れない場合もあるという。