ZMPは2017年9月12日、物流向けロボット車両と自動運転技術開発用小型車両を連携させて、倉庫や工場の中で隊列走行を実現するための活動を始めると発表した。その活動の第1弾として、ICタグ技術の実績を持つ凸版印刷の協力を得て、自動運転の小型車両の後を追従しながら倉庫の棚に積んだ荷物のICタグを自動で読み取り、棚卸を完了させる仕組みを開発した。

 ICタグを読み取るのはZMPの物流向けロボット車両「CarriRo(キャリロ)」。一般的な台車と同じ形をしており、ジョイスティックを操作して走行させる「ドライブモード」のほかに、ほかの車両が発信するビーコンを検知し、発信している車両の後を追走する「カルガモモード」を備える。今回はこのカルガモモードを利用した。

図 物流向けロボット車両「CarriRo」。ビーコンを発信している車両の後を追走する機能を持つ

 ZMPの自動運転技術開発用小型車両「RoboCar 1/10」にビーコンを発信する機能を持たせて、倉庫内を自動で走行させる。するとそのビーコンを検知したCarriRoが、RoboCarの後を追走する。これで倉庫内の隊列走行が実現する。

 あとはCarriRoの左右にICタグを読み取るセンサーを取り付ける。倉庫にあるすべての荷物にICタグを貼り付けておけば、CarriRoがそのそばを通り過ぎる時に、自動でICタグの情報をすべて読み取る。読み取ったデータをすべて物品管理システムに送信すれば、自動走行車両による無人棚卸が実現する。

図 RoboCar 1/10と、追走するCarriRo。CarriRoの左右側面に付いているのがICタグを読み取るセンサーだ

 ZMPと凸版印刷はこの無人棚卸機能を持つロボット車両を、9月13日から開催予定の「第19回自動認識総合展」のトッパンブースで公開するとしている。公開するのは開発途上の車両で、進捗を披露することが目的だ。この仕組みが実現すれば、人手に頼っている棚卸し作業を完全に自動化できる可能性もあるだろう。