東京電力ホールディングス(以降、東京HD)とゼンリンは、3月29日に両社が保有する設備・地図情報などのインフラデータを組み合わせ、ドローンの安全飛行をインフラ側から支援する「ドローンハイウェイ構想」の実現に向けた業務提携に基本合意したと発表。

 国内におけるドローンビジネスは、すでに実用化されている空撮や農薬散布、測量のみならず、ドローンの高機能化や法制度の整備に伴った長距離飛行や都市部での自律飛行の実現によって、物流、災害対応、警備など多様な分野への普及拡大が期待されている。
 しかし、ドローンが安全に自律飛行するためには、飛行空域に存在する構造物の正確な位置や高さを認知した衝突回避や、中長距離飛行に対応するためのバッテリーの確保、複数のドローンの飛行による衝突を回避するための運行管理など、さまざまな技術課題がある。

 そのため、東京電力HDとゼンリンは、東京電力グループが保有する変電所、送電鉄塔・電柱、架空送電線などのインフラデータと、ゼンリンが開発を進める空域情報を3次元化した「空の3次元地図」を組み合わせ、2019年度の「ドローンハイウェイ構想」実現に向けた取り組みを始めるという。

【Youtubeの例】
ドローンハイウェイ構想のイメージ(出所:ゼンリンのYouTube公式チャンネル)

 同社の本構想におけるロードマップは、以下のようになっている。
 ステップ1<2017年度>…障害物の事前予測・回避支援など安全性をテーマにした3次元インフラ情報の整備を開始
 ステップ2<2018年度>…セキュリティ(ドローン飛行の信頼度向上など)をテーマにした誘導プラットフォームの研究・開発
 ステップ3<2019年度>…ロングフライト(航続距離の飛躍的拡大)をテーマにドローンポートの開発

 両社は、この他にもGPS位置補正、気象情報提供などドローンの安全・安心な飛行に必要なサービスを幅広く提供可能なプロジェクトの検討を進めていくという。