テラドローンと東急コミュニティーは2016年12月8日、競技場の管理業務に自動航行ドローンを活用した空撮システムと運行管理システム(UTM:UAV Traffic Management)を取り入れると発表した。

 対象となる競技場は静岡県袋井市の小笠山総合運動公園内にある「エコパスタジアム」。2002年FIFAワールドカップの会場にもなった場所で、5万889人を収容する大型競技場だ。東急コミュニティーはこの競技場の指定管理者である「静岡県サッカー協会グループ」の一員で、2011年から施設の管理業務を請け負っている。

エコパスタジアム。観客席を覆うように屋根が張ってある

 自動航行ドローンは、競技場の屋根の点検に利用する。従来、作業員が目視で点検していたが、長い時間がかかる上、落下の危険がつきまとう作業だった。この作業をドローンのカメラを利用した作業に切り替えることで、従来よりも広い範囲を詳細に点検することが可能になったという。

ドローンを使って屋根を点検しているところ

 点検時は、事前に運行管理システムで航路を指定する。あとはドローンが屋根を飛行しながら、その様子をカメラで捉える。これまで、専門の作業員が長時間かけて点検していた屋根幕の穴のチェックにも、自動航行ドローンを活用することを検討しているという。これが実現すれば、短時間で正確なデータを取得できると期待している。今後は2社で実績を積み重ねて、他用途でもドローンを活用することを検討するという。