写真:展示されたドローンショー用のドローン

 レッドクリフは、ドローンショー市場において多くの注目を集めている企業のひとつである。その理由は、圧倒的な実績に加え、教育とエンターテインメントの両面で多角的に展開している点にある。

屋外ドローンショーで活躍する「RiFF-JP」「EMO-JP」

 同社が運用する屋外ドローンショー用の機体は「RiFF-JP」と「EMO-JP」の2機種だ。これらは屋外演出向けに開発された機体で、現在は両機を組み合わせた演出プログラムを展開している。

写真:機体下部のLEDライトが光る「RiFF-JP」「EMO-JP」
左の2機が「RiFF-JP」。「EMO-JP」はプロペラガードを装着している。

 特に「RiFF-JP」は、独自のアタッチメント機構を備えている点が大きな特徴だ。スモーク、レーザー、花火、ランタンなど多彩な演出を可能にする専用アタッチメントを装備することで、観客を魅了するLED以外の表現力を実現している。従来は「EMO-JP」で花火を紐で括り付けていたが、RiFF-JPでは専用アタッチメントを用いることで安全性と演出性の双方を飛躍的に向上させた。

大阪・関西万博での公式ドローンショーを担当

 これらの機体は、現在開催中の大阪・関西万博でも使用されている。レッドクリフは、万博の公式プログラムとして毎日実施されるドローンショーを担当。屋外で天候の影響を受けやすい環境下でも、9割以上の日数で飛行を実施しているという。

 同社担当者は次のように説明する。
「EMO-JPはローターが下に向いており、ある程度の雨の吹き込みを避けられる設計になっています。しかし、風の強さや向きによっては吹き込んでしまうことがありました。その点、RiFF-JPはモーターを囲うように設計しているので、雨の吹き込みを相当防ぐことができます」

 雨天時にも高い運用性を確保している点が、万博での採用を後押ししたと言える。同社はこの万博での連続飛行記録を「ギネス記録」として申請する意向も明らかにしており、実績をさらにアピールしていく構えだ。

屋内専用機体「FYLo EDU-JP」で新たな市場を開拓

 レッドクリフは屋内ドローンショー向けの製品開発にも力を入れている。2025年4月に販売を開始した「FYLo EDU-JP」は、屋内専用のフルカラーLED搭載型機体だ。最大200機の同時飛行を実現し、コンサートやスポーツイベントのインターバルなど、新たなシーンでの活用が期待されている。展示会でも実機の展示が注目を集めていた。

写真:「FYLo EDU-JP」
屋内ドローンショー用機体である「FYLo EDU-JP」。バッテリーを含めた重さは190g。

100g未満の教育用ドローン「Hula」を活用したプログラム展開

 教育分野への取り組みも強化している。「Japan Drone 2024」で初公開した100g未満の教育向け機体「Hula」も展示されており、同機はプログラミング教育に対応しているのが大きな特徴となっている。

写真:「Hula」と車輪付きロボット
「Hula」と組み合わせてプログラミング教育で使用する車輪付きロボットも展示された。

 2025年から本格展開される教育プログラム「プログラミングLab」では、Hulaのほか車輪付きロボットなども活用し、小学生から大学生まで幅広い層を対象にカリキュラムを提供する予定である。授業では、Hulaを使った基本的な操作や自動航行のプログラム構築に加え、カメラや画像認識を用いたロジスティクス体験、地上ロボットとの連携によるミッション演習まで、多様な内容を用意している。

 担当者は「実際にモノが飛ぶ、動くという体験は教育効果に直結します」と話す。画面上だけのプログラミング教育とは異なり、空中に描かれるドローンの軌跡やロボットの動きを視覚的に確認することで、子どもたちにとって大きな刺激と学びをもたらすだろう。

#Japan Drone 2025 記事