イーグルフライトは「Japan Drone 2025」にて、最大ペイロード(積載重量)が49kgの「EAGLE 49」と75kgの「EAGLE 75」という2機種の大型重量物運搬ドローンを展示した。

安全性の高い大型ドローン「EAGLE 49・75」現場作業を支援

 EAGLE 49は、最大離陸重量25kg以上の機体として国内で初めて第二種型式認証を取得しており、機体の安全性が担保されたモデルである。EAGLE 75も現在、同認証の取得を申請中だ。

写真:展示されたEAGLE 75
EAGLE 75(写真)のプロペラを展開した際の機体の寸法は、3300×3300×870mm。EAGLE 49ともアームを折りたためばワゴン車に2機収納できる。

 EAGLE 49は、インテリジェントバッテリーを2本搭載し、最大ペイロード49kgを積載した状態でも最大約6分の飛行が可能。荷物を下ろした後は最大約12分の飛行時間を確保している。一方のEAGLE 75は、インテリジェントバッテリーを3本搭載し、75kgのペイロードを搭載した状態で最大約8分の飛行を実現する。荷下ろし後は最大約11分の飛行が可能だ。

写真:展示されたEAGLE 49
EAGLE 49(写真)のプロペラを展開した際の機体の寸法は、2800×2800×800mm。電波途絶時には自動帰還するフェールセーフ機能を備える。EAGLE 49は第二種型式認証を取得している。

 いずれの機体も耐風性能は7〜10m/sであり、小雨でも帰還できる設計となっている。また、吊り荷輸送(機体に荷物を吊るした状態)で発生する横揺れを自動で打ち消す「横揺れ軽減機能」も搭載し、より安全な作業を実現する。

写真:アームの折りたたみ部分
アームはEAGLE 49、EAGLE 75とも折りたたみ可能。ロックを掛けて固定する仕組み。

電力会社が導入する山間部輸送事例と実績

 これらの大型ドローンは、特に山間部での鉄塔工事や保守に伴う資材輸送を目的に電力会社が運用している。これまで人力やヘリコプターで輸送していた資材を、ドローンで効率的に運ぶ手段として導入が進む。

 具体的な運搬実績としては、以下のような資材がある。

  • 電線を支柱などに絶縁固定するために使用される40kgの碍子
  • 最大5.5mの長物
  • 塗料缶
  • 70kgの圧縮機(エンジン部)

 従来はヘリコプターをチャーターし、荷下ろしのために山林を伐採して広場を作る必要があったが、ドローンであれば伐採面積を大幅に減らせる。担当者も「ドローンは非常に効率的だ」と語っている。

EAGLE 75開発の背景 「60kg以上を一度に運びたい」ニーズ

 EAGLE 75の開発は、現場から「一度にもっと多くの荷物を運びたい」という要望が多数寄せられたことがきっかけだ。実際、イーグルフライトが担当する山間部の現場では、運ぶ資材の重さが60kg以上になることが多く、EAGLE 49では一度に運搬できないケースもあった。そのため、より大きなペイロードを備えたEAGLE 75を開発し、現場のニーズに応えたという経緯がある。

 現在、EAGLE 75は物資輸送業務に週2〜3回投入されており、他社からの引き合いも増加しているという。山間部での重量物空輸の需要は依然として多いのだ。

 山間部インフラ工事などでの重量物輸送は、従来人力やヘリコプターに大きく依存してきた。しかしドローンを活用することで、輸送コストや環境負荷を削減し、作業効率を大きく改善できる。

 イーグルフライトのEAGLE 49、EAGLE 75は、国内法令に対応した型式認証を取得・申請しつつ、実際の電力会社業務でも導入が進む実績あるモデルだ。山間部の重量物輸送を効率化する手段として、今後も注目を集めそうだ。

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