ドローン教育プラットフォーム「DRONE STAR」を展開するORSOは、ドローン事業開始から10周年を迎えた。これに合わせ、Japan Drone 2025では過去最大規模のブースを構え、主力製品である100g未満のトレーナードローン「DRONE STAR TRAINING」と、初公開となるブラウザ型ドローンシミュレーター「DRONE STAR PILOT」を中心に展示を行った。

写真:操縦体験する来場者、ネットで仕切られた空間で飛行するドローン
会場では、DRONE STAR TRAININGの操縦を体験できるコースが2面設けられ、体験する人が後を絶たなかった。

実地試験対策にも活用!100g未満トレーナー機「DRONE STAR TRAINING」

写真:展示されたDRONE STAR TRAININGのパッケージ、プロポ、ドローン機体
DRONE STAR TRAINING。100g未満ながら飛行性能が高く、操縦練習に活用できる。

 2024年にリリースされたDRONE STAR TRAININGは、専用プロポ(送信機)を備え、各種センサーのオン/オフ切り替えやカメラアングルの調整など、細かな設定が可能な高機能トレーナー機である。特筆すべきは、スティック入力の「遊び」が排除されており、わずかな操作でレスポンス良く挙動が変化する点だ。これにより、実機操縦時にありがちなスティック操作の過剰入力を矯正できる。

 この機体は100g未満で航空法の規制対象外であり、屋内での飛行も容易に行える。現在、多くのドローンスクールで国家資格の実地試験対策として導入が進んでおり、企業における操縦技量維持や社員教育用トレーニングツールとしても採用が拡大している。

インストール不要・無料のブラウザシミュレーター「DRONE STAR PILOT」登場

 今回の展示で初披露された「DRONE STAR PILOT」は、インストール不要でスマートフォンからもプレイ可能なブラウザ型ドローンシミュレーターだ。インストール不要かつ無料で利用できる手軽さが最大の特長であり、ドローンの操縦に不慣れなユーザーでも楽しめるよう、財宝探しや障害物迷路など、ゲーム性の高いステージが多数用意されている。

写真:モニターに映し出されたDRONE STAR PILOTの広告画面
DRONE STAR PILOTの画面内に表示される広告。プレイ前に居住地域を選択するので、地域に合わせた広告が配信される。

 シミュレーターは、ユーザーが起動時に選択する地域情報に基づき、画面内に地域密着型のドローンスクール等の広告を表示することで収益化を図ることで無料提供する。この手法により、ユーザーは費用をかけずに練習可能となり、地方の教育機関やイベント会場でも高スペックなPCなどを必要とせず気軽に活用できる。

ドローンによる観光振興を担うDron é motion事業部の取り組み

 展示会場では、観光分野における新たな取り組みとして、ORSOグループに新たに加わったDron é motion事業部の活動も紹介された。Dron é motionは空撮を本事業とした企業であったが、2025年2月にドローン事業をORSOに譲渡したことを発表した。

 同部門は、一般的にはあまり知られていない日本各地の絶景地を、四季を通してドローンで撮影し、自治体などがSNS等の発信で活用できる写真/映像素材を定期提供する。
 この施策は、まず映像を通じて景観の情報を周知し、その後「自分でも撮影してみたい」という訪問者を現地に誘導する仕組みを構築することで、観光誘客への貢献を目指している。

プログラミング教育とチームビルディングを融合した「DRONE STAR」ワークショップ

 教育領域では、「DRONE STAR」プログラミングアプリを活用することでワークショップが進化している。参加者がチームを組み、プログラミングによるコードによってドローンを動かしながら課題を解決する体験型研修(ミッション形式)は、企業の新人研修や管理職研修で高い評価を得ているという。

 実践的な学びを促進するこのプログラムは、現場での「シミュレーションなどの理論上は正しくても実機ではうまくいかない」といった課題を、チームで試行錯誤して乗り越えるプロセスが好評である。また、同社のノウハウをまとめた実践書籍も出版され、教育現場への導入が進んでいる。

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