GMOインターネットグループは、ドローンの展示会「Japan Drone 2025」にプラチナスポンサーとして出展した。同社は「すべての人にインターネット」を掲げ、インターネットインフラやセキュリティ、広告・メディア、金融、暗号資産などの分野で幅広い事業を展開している。

写真:ヒューマノイドロボット、四足歩行ロボット
研究開発向けに提供されているUnitree Robotics社の「G1」。プログラミングを組み、多様な動作が可能。

陸・海・空の各分野で最先端テクノロジーを披露

 今回の展示ブースでは、「陸・海・空」の3領域でドローンやロボットが活躍する未来の社会を表現する大規模な展示が行われ、来場者に対して先端技術の可能性と社会実装への期待を強く印象づけた。

陸上分野:二足・四足ロボットによる業務支援の可能性

「陸」の領域では、Unitree Robotics社のヒューマノイドロボット「G1」(身長約130cm、体重約35kg)をはじめ、エルザジャパンの四足歩行型災害救助用ロボット「DEEPRobotics X30」、NUWAロボティクスJAPANのサービスロボット「Kebbi Air」などの最先端のロボットを展示。中でもUnitree Robotics社のG1は、深層強化学習に対応した開発環境を用意され、独自の歩行制御アルゴリズムの実装が可能で、研究用途としても高い注目を集めていた。

写真:Kebbi Air
NUWAロボティクスJAPANのサービスロボット「Kebbi Air」。多言語自然対話と接客・受付・教育・案内業務に対応。
モニターに映った、消火活動を行うDEEPRobotics X30
エルザジャパンの災害救助用四足歩行ロボット「DEEPRobotics X30」。発電所・工場での検査・緊急救助・火災検知に対応。

 会場では、二足歩行ロボットが資料の入ったバッグを手渡しで配る様子が見受けられた。これに対して担当者は、「多くの来場者が人手不足解消に向けた実用的なソリューションとしてのロボットの活用に関心を寄せていました。このような活用のほか、背中に消火器を背負わせ、人が立ち入れない場所での消火活動を行うといった使い方も可能です。人命救助に繋がるロボットの活用法に興味を示す来場者も多数いました」と話す。

海洋分野:ドローンによる人命救助とインフラ支援

「海」では、ドローンを使ったサービスを提供するmanisonias(マニソニアス)が開発した人命救助用ドローン「SAKURA」のほか、「DJI Matrice 300 RTK(海難レスキュー仕様)」、画像鮮明化装置「IVCS」、水中ドローンによる海難事故捜索モデル機などを展示。

写真:会場に設置された小型プールに浮かぶ「SAKURA」
manisonias製の海難レスキュードローン「SAKURA」。会場では膨張型救命浮環投下の実演が行われた。
写真:水中の様子(元映像、画像鮮明化装置「IVCS」処理後)
写真:高輝度水中ライトと遠隔操作アームを装備した水中ドローン
画像鮮明化装置「IVCS」と水中ドローン海難事故捜索仕様機。高輝度水中ライトと遠隔操作アームで海中探索を強化。

 SAKURAは水難事故の際に自動で膨張型救命浮環やシーマーカーを投下し、GPSを内蔵したカプセルによって正確な位置情報を取得する機能を備えており、会場では実際に浮輪を投下する実演も行われた。

 担当者は、「人命救助は1秒を争います。ドローンの即応性によって生存率を高める可能性があることに、多くの来場者が共感していました」と語る。また、機体性能だけでなく「適切なインフラ整備の重要性にも来場者が気づいてくれました」と、ハードとソフトの両輪での実装が必要であることへの理解も深まったという。

空の領域:VR体験で空飛ぶクルマとドローン操縦を再現

「空」の分野では、来場者が体験型の展示を通じて、次世代の空の移動手段とドローンの最新技術に触れることができた。「空飛ぶクルマVR体験」では、東京都の渋谷から用賀までの飛行を疑似体験する内容で、空の安全を確保するセキュリティがいかに重要かを訴求した。また、「ドローン操縦VRシミュレータ」では国家資格(無人航空機操縦士)試験の実技コースを再現し、インフラ設備点検の実務的な操作も体験可能とした。実際の運用シーンを想定したリアルなシミュレーションにより、業務利用を前提とした技術の可能性に対する理解が深まった。

写真:空飛ぶクルマのVR体験コーナーの様子
空飛ぶクルマのVR体験を行う来場者。

 今後の展望について、担当者は「我々はクラウドや通信、セキュリティといった裏側の基盤技術で、ドローンやロボットが活躍する社会を支えることが使命だと考えています」と述べた。今回の展示を通じて、来場者には単に最新技術を体験するだけでなく、こうした基盤の重要性にも目を向けてもらう機会となった。GMOインターネットグループは今後も、ITインフラとセキュリティ技術の提供を通じて、ドローンおよびロボティクス分野の発展を支援していく方針を示している。

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