レッドクリフが得意とする表現力豊かな屋外でのドローンショーは、日本だけでなく世界各地で好評を博している。2024年の実績で特筆すべき取り組みは、国内においては大晦日から2025年元日かけて兵庫県神戸市で開催されたドローンショープロジェクト「REDCLIFF COUNTDOWN DRONE SHOW 2025」。国内最大という2025機のドローンを使用して圧巻のショーを展開した。世界での取り組みとしては9月に中国深圳で、7998機のドローンを使用して「ディスプレイの大きさ」でギネス世界記録を更新。レッドクリフはいま最も勢いのある国内のドローン事業者といっても過言ではないだろう。
そんなレッドクリフのブースは入口を入ってすぐの目立つ場所に展開された。黒でまとめられた什器の中で七色に輝くドローンが目を引き、来場者は次々に足を止めてモニターに映し出されるショーの様子に見入っていた。「ドローンショーに対する認知が広がる中でレッドクリフという社名をご存じの方もいらっしゃって、ありがたいです。声を掛けてくださるのはドローンをメインの事業とする方もいれば、自治体の方もあり様々です」と担当者は多くの人たちに興味を持ってもらえていることを喜んだ。ちなみに担当者の肌感覚としては、話をした人のうちドローンショーを実際に見たことがある人とない人の割合は半々とのこと。
レッドクリフのブースはコンパクトながらも、4種類の機体を展示し、それぞれが特徴的だった。
LEDの色、明るさで演出する「EMO-JP」
「EMO-JP」は現在の主力機となっており、レッドクリフでは4000機程度を運用。プロペラガードを装備しており安全にショーを開催できると謳う。最大飛行時間は31~33分だ。高輝度LEDを搭載し、最大20Wの調光が可能になっている。また、専用アタッチメントを使用し花火を取り付けられることもEMO-JPの大きな特徴。花火の演出を交えたドローンショーは、国内ではまだレッドクリフしか実演した実績をもたない。「2024年11月から12月にかけて開催された神戸や横浜でのドローンショーなど、これまで5件程度、花火を使用したドローンショーを行っています」(担当者)。記者は12月に行われた「コカ·コーラ ドローンショー2024」を現地で観覧したが、炭酸のシュワシュワ感を花火で表現するという描写に度肝を抜かれた。花火を使った演出は今後もより洗練され、多くの観客の心を掴んでいくことだろう。
光だけではない新たな演出を提供する「RiFF-JP」
「RiFF-JP」は「多機能ドローンショー機体」と銘打ち、様々なアタッチメントを付け替えることで多彩な演出に対応する。アタッチメントには高輝度LEDライトをはじめ、レーザーや花火・スモークを搭載可能。変わり種としてはLEDランタンがあり、提灯のように柔らかいライティングが期待できそうだ。どのように演出に取り入れるかは今後検討するという。RiFF-JPは2025年から投入予定だ。
また、今回初めて屋内ドローンショー用の機体「FYLo」も展示された。これまでレッドクリフでは屋内ドローンショーはあまり大々的に行ってこなかった。しかし、今後は屋内ドローンショーも受注を目指すほか、屋内ドローンショー運営に意欲を見せる事業者に向けて機体販売を行う。なお、FYLoにおいて機体の位置制御には先行して使用されている他社の屋内ドローンショー用と同様にUWB(ウルトラワイドバンド)無線を採用する。
子供でも学びやすいScratchベースの教育用ドローン「Hula」
最後に取り上げるのが教育用プログラミングドローンの「Hula」。100g未満機で、タブレットに接続してScratchベースのブロックプログラミングを組み、飛行させる。カメラを通してジェスチャーやマークを認識し、それぞれに与えられた操縦コマンドを実行するAI認識機能を搭載しているのも面白い特徴だ。「プログラミング教育で使えないかと問い合わせを受けています」(担当者)。
屋外に加えて屋内ドローンショーを手掛け、プログラミング教育にも対応するレッドクリフ。4月13日から開催される大阪・関西万博では、会期中毎日開催されるドローンショー「One World, One Planet.」の協賛にも名を連ねる。一層の飛躍が期待される2025年の抱負を尋ねると「他社に先駆けて新しいことをしていきたいです。ドローンショーを受注するだけでなく、できることを増やしていきたい。今後は自社でドローンショーを実施したい事業者への機体販売やトレーニングにも力を入れていきます」と担当者は意気込んだ。