オリジナルのLiDARを開発・販売しているアミューズワンセルフの展示ブースは、例年、その規模で話題となっているが、今年のCSPI-EXPOでは通路を挟んだ形のブースでさらに大規模に。そんな展示スペースで、次世代のドローンレーザーシステム「TDOT 7」シリーズを披露していた。

CSPI- EXPOの会場で、ドローン関連企業としては随一の規模のブースを出展していたアミューズワンセルフ。

高性能LiDAR技術が産業ドローンを革新「TDOT 7」シリーズの特徴と利便性

 TDOT 7シリーズは、近赤外線レーザーの2機種とグリーンレーザーモデル、合わせて3機種をラインナップ。「TDOT 7 NIR」と「TDOT 7 NIR-S」は、それぞれ「mini VUX-3UAV」と「VUX120」というRIEGLのレーザーモジュールにアミューズワンセルフのINS(慣性航法システム)を組み合わせたモデルだが、「TDOT 7 GREEN」はレーザーモジュールも含めてすべてアミューズワンセルフのオリジナルの製品となっている。

アミューズワンセルフの「TDOT 7 GREEN」。

 TDOT 7 GREENは同じく同社のグリーンレーザーモデル「TDOT 3 GREEN」に比べて、パルスレート、スキャンレートともに167%向上しており、レーザーパワーは規制値内で2倍、レーザーを集光するレンズも大型化して集光力1.9倍、受光感度も2倍と、「トータルで270%の性能向上を図っている」(説明員)という。

 また、スターウォーズのストームトルーパーをほうふつとさせるようなデザインは、「スポーツカーをイメージした」(説明員)といい、120度のFOVを持つスキャナーとともに1240万画素の可視光カメラとサーマルカメラも搭載している。さらに、本体内にエッジAIであるNVIDIA Jetson Xavier NXを搭載しており、「例えばスマートシティで毎日朝、街の上空を飛行してスキャンすることで、道路上にモノが落ちているといった状況を三次元的に判断したり、物体を可視光カメラで見えなければサーモカメラで見るといったように、JetsonのAIがドローンを制御してデータを収集することができる」(説明員)という。

 このエッジAIコンピューティングは負荷が大きく、モジュールから熱が発生するため、筐体の塗装には放熱塗料が使われている。「開発の過程では外部の熱を反射するメッキ仕上げだった」(説明員)という。また、本体には翼のように3本のアンテナが生えていて、1本はコントローラーと通信するテレメトリー用、そして2本はネットワーク経由で収集したデータを送受信するモバイル通信用となっている。このモバイル通信は3つの回線を使って安定した通信を実現するほか、衛星通信の利用も可能だという。

 さらにこのTDOT 7 GREENを含めたTDOT 7シリーズでは、専用ソフトウェア「TDOT PROCESSING PRO」に加えて、専用アプリケーション「TDOT 7セッティングツール」を新たに用意。タブレットやスマートフォンでTDOT 7シリーズの設定や測量中のデータのリアルタイム表示ができる。

 TDOT 7シリーズは国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録されているほか、同省の活用促進推奨技術の認定を受けている。

秒間240万点の計測ができる超高速レーザーシステム「TDOT 7 NIR-S」。
RIEGLのmini VUX-3UAVを採用した汎用レーザーシステム「TDOT 7 NIR」。
TDOT 7 GREENを搭載したハイブリッドドローン「GLOW.H」。
TDOT 7 NIRを搭載したバッテリー駆動ドローン「GLOW.L」。

#建設・測量生産性向上展2024 記事