ROBOTIX JAPANが開発したドローンやロボットは、農業、太陽光パネル清掃、物流といった分野で新たな可能性を広げている。ここでは、農薬散布機「DMTERシリーズ」をはじめ、太陽光パネル清掃用ロボット、そして物流用ドローンの3つの機種について紹介する。

圃場サイズに適した農薬散布を効率化する「DMTERシリーズ」

一番小型な「DMTER M6」。

 ROBOTIX JAPANの「DMTERシリーズ」は、農業の効率化を目指して開発された農薬散布機である。このシリーズには、散布容量が6ℓ、10ℓ、16ℓ、30ℓの4種類があり、幅広い圃場サイズに対応している。中でも、6ℓの「DMTER M6」は、一人で持ち運びが可能で、格納した状態であれば軽トラックの助手席にも搭載できるコンパクトさが特徴だ。格納サイズは650×622×468mmと非常に小型で、価格は約120万円と手頃である。

 さらに、DMTERシリーズはROBOTIX JAPANが独自に開発しており、ドローンの制御ソフトウェアも自社開発である。特筆すべきは、プロポと機体を紐づけることで乗っ取り防止機能(署名機能)が搭載されている点である。特に売れ筋の「DMTER M16」は、二等無人航空機操縦士の25kg以上のドローンによる実施講習用としてドローンスクールなどに利用されており、販路を拡大している。その特徴として、受講生の操縦中にインストラクターが瞬時に割り込んで操縦できるオーバーライド機能が搭載されている。

ドローンで運搬!数の多い太陽光パネルの清掃を自動化するロボット

 ROBOTIX JAPANは、太陽光パネルや工場の屋根などの清掃を効率化するための清掃用ロボットも開発している。このロボットは、清掃したい場所にドローンや手持ちで運ばれ、太陽光パネルなどの地上から近いパネルであれば、パネルからパネルへの移動は人手で行い、人が立ち入れない場所であればドローンによって清掃ロボットを運ぶ仕組みだ。一般的に1つのパネルに対して2~3名の作業員で清掃していくことが多いが、これによって数多く設置されたパネルを清掃する労力を削減できる。さらに、メガソーラーなどの大規模施設にも対応する大型のロボットも開発中である。

 清掃の一連の工程は、簡易的に汚れを落とし、水で洗浄し、ブラシで洗い、最後に水切りで水を落としてモップで仕上げるというもの。すべて自動で行われるため、基本的に操縦は不要である。ドローンによる運搬は吊り下げ式のウインチ機能を使う。一方、清掃が終わった後にロボットを回収する機能は、現在開発が進められており、これにより清掃作業の効率がさらに向上することが期待されている。

レベル4飛行を目指す物流用ドローンのコンセプトモデル

 ROBOTIX JAPANは、開発中の物流用ドローンをコンセプト機として展示した。これは、医療用の緊急物資や血液の輸送を目的とした新型コンセプトモデルである。このドローンは、レベル4飛行での運用を目指しており、生活用品の物流は陸路で十分行き届いているため、軽量かつ緊急性のある物資を市街地で迅速に届けることを目標としているという。そのため、上部にはパラシュートを搭載するなど、将来的には型式証明の取得を目指している。

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