東陽テクニカ

 さまざまな計測機器を扱う東陽テクニカは、海洋向け機器・特機のひとつとして、OceanboticsなどのROV(水中ドローン)を展示していた。Oceanboticsの小型フリーダムROV「SRV-8」は8基のスラスターを備え、あらゆる方向への移動と回転が可能な水中ドローン。300mの耐圧性能を備え、機体に搭載したバッテリーで最大6時間の稼働ができるほか、4.5mmの極細テザーケーブルを採用することで潮流の影響を小さくしているのが特徴だ。オプションでイメージングソナーやグラバーの搭載も可能となっている。

 このSRV-8と並んでUnderwater Roboticsの「Super GNOM」も展示。水深150mまで潜航することが可能な小型の水中ドローンで、±50度の範囲でチルト可能なカメラを搭載。オプションでソナーやレーザーポインター、グラバー等を取り付けることができる。東陽テクニカではこうした水中ドローンをおもにレンタル会社や測量会社、消防などに納めており、ダムや護岸の保全、マンホールの点検などでも引き合いがあるという。

8つのスラスターを備え、水深300mまで潜航が可能なOceanboticsのSRV-8。
本体下部前面には頑丈なグラバーを装備。操縦は専用のコントロールパネルを介して、Xboxコントローラーで行う。
本体重量5kgとコンパクトなUnderwater RoboticsのSuper GNOM。水深150mという耐圧性能を備え、最大3ノットの速度で移動が可能。

ジュンテクノサービス

 QYSEA公認の修理サポートセンターを運営するジュンテクノサービスでは、最新モデルの「FIFISH V6S」をはじめ、今年3月に発表され、今後発売が予定されているモデルなどを展示していた。FIFISH V6は6スラスター搭載の水中ドローンで、最大100mの深さまで潜航が可能。6つのスラスターをQYSEA独自のレイアウトで搭載することにより、真横への移動や弧を描きながらの回転、上下90度ずつのチルトといった動きができるほか、任意の角度や深さで停止することができる。

 新作のFIFISH V6Sはベースモデルのロボットアームを装備しており、100ニュートンの力で対象物をつかむことが可能。水中から対象物を回収したり、ダイバーに先行して対象物までたどり着き、そこをクランプすることで、作業経路を示すガイドにするといった用途があるという。また、ロボットアームの両脇には、機体内蔵バッテリー容量の60%にあたる拡張バッテリーを搭載しており、最大で6時間の潜航が可能となっている。このほか同社のブースでは、「FIFISH V6Plus」や「FIFISH W6」といったより本格的な産業用水中ドローンなどを展示していた。

ブース中央の水槽で、水中のペットボトルをつかみながら、自由自在な動きを披露するQYSEAの「FIFISH V6S」。
FIFISH V6Sにオプションのケースなどを加えたジュンテクノサービスオリジナルのAセット。ケース内右側の黒い筒状のものが拡張バッテリー付きのロボットアーム。
FIFISH V6をベースに距離ロック・ソナーシステムを搭載した「FIFISH V6Plus」。前方の障害物との距離をソナーが計測し、衝突を防止することが可能。また、バッテリー容量やLEDライトなどが強化されている。
「FIFISH W6」は産業用として300mの最大潜航深度や交換式バッテリー、10000ルーメンのLEDといった高機能・高性能を備えた最上位モデル。機体先端に垂直方向視野角60度のカメラを2個搭載し、3Dマッピングによる自動航行が可能となっている。

TKK Works

 東京航空計器グループのTKKワークスは、今春リリースした169MHz帯を使ったプロポや2.4GHz帯テレメトリ無線機など、無人移動体画像伝送システムの周波数帯域を活用した通信システムを提案していた。一般的なISMバンドを使った汎用のプロポやテレメトリーシステムでは、Wi-FiやBluetoothと同じ2.4GHz帯を利用しているため、周辺の利用者が増えると帯域がひっ迫して通信トラブルが起こりやすい。

 TKKワークスのこのシステムでは、機体の制御を169MHz帯、テレメトリを2.4GHz帯と分けることで、お互いの干渉を避けると同時に、通信の問題による機体の制御不能といったトラブルを防ぐことができる。また、無人移動体画像伝送システムは運用調整により周波数を占有するため混信の可能性も低い。さらに、同システムは最大で1Wの出力が認められているため、長距離の飛行を実現するほか、短距離であれば通信の信頼性が向上するといったメリットもあるという。

無人移動体画像伝送システムに対応した初の「169MHzプロポ」。標準装備の短いヘリカルホイップアンテナに加えて、オプションの高利得ロッドアンテナを使用することも可能。Pixhawkなどの汎用フライトコントローラに対応。
「2.4GHzテレメトリ無線機」。無人移動体画像伝送システムの2.4GHz帯はWi-Fiなどとは違う周波数帯を占有して使うため、電波干渉などの影響が小さい。オプションアンテナとの組み合わせで最大出力4Wになるという。
169MHzプロポと2.4GHzテレメトリ無線機を組み合わせた例。左の写真中央のPCから左側が地上のコントローラー側で、右側がドローンに搭載する装置のイメージ。デモではプロポでジンバルカメラを操作し、機体のテレメトリ情報がPCの画面上で見られるというものだった。