HOVERAir X1 Smart。カラーはブラックとホワイトの2色。

 Zero Zero Robotics は3月7日、日本限定となる99gの超軽量カメラドローン「HOVERAir X1 Smart」(以下X1 Smart)の先行予約販売を応援購入サイトMakuake(クラウドファンディング)で開始した。

 Makuakeのプロジェクトは4月20日18時00分までの期間で行われ、価格は5万9980円(税込み)~。通常価格の最大30%OFFで購入できる各種セットを用意する。プロジェクト終了後、5月以降にAmazonで一般販売を開始予定だという。

一般販売価格一覧(Zero Zero Roboticsプレスリリースより)

 また、3月7日から5月6日まで、東京では「b8ta Tokyo – Yurakucho」(千代田区)、大阪では「阪急うめだ本店8階 b8ta Osaka – Hankyu Umeda」(大阪市)にて国内初となる製品展示を開催している。同店では、操縦体験も可能なため、興味がある人はこの機会に試してみてはいかがだろうか。

機体重量99gと超軽量! 機体登録は不要

 2014年に中国で設立された同社は、2016年発売の「Hover Camera Passport」を皮切りに、X1 Smartを含めて計4モデルのカメラドローンを展開している。なかでも2023年に発売した「HOVERAir X1」は、重量125gと小型軽量のカメラドローンで、ニューヨーク・タイムズ紙の「The Best of CES 2024」に選出されるなど、現在世界中で10万人以上のユーザーを誇るという。

 今回登場したX1 Smartは99gと軽量化を実現した。これは、日本の法規制に対応することを目的としており、日本では100g以上の機体を屋外で飛行させる場合、機体登録を行う必要がある。機体登録にはリモートIDの搭載が義務付けられており、99gのX1 Smartは登録が不要となる。「誰もが簡単に自撮り撮影を楽しめる」をコンセプトに日本国内限定の特別仕様モデルとして誕生した。

機体重量99gは手の平に納まるサイズ感。前モデルのHOVERAir X1は、折り畳み式となっていたが、この機構をなくすことも軽量化に貢献している。

 機体の寸法は142×111×27mm。4つのプロペラは、独自開発のソフトフレーム素材で覆われる形でガードされている。フレームは弾力性があり、落下時や接触時の衝撃を和らげる効果を備えた。ドローンの最高速度は秒速7m(水平)、秒速1.5m(上昇/下降)。最大耐風性は秒速7.9m(耐風レベル4)。最大飛行高度は15mとなっており、超軽量で小型な設計ながらも、高い耐風性能を実現している点には驚かされる。

 カメラは12メガピクセル。静止画(JPEG)は4,000×3,000px、動画は最大2.7K(2,704×1,520px)/30fps、1,920×1,080px/30fpsまたは60fps。1,920×1,080/30fpsでは、HDR撮影が可能だ。ジンバルと電子式手ブレ補正、水平補正を組み合わせたリアルタイム手ブレ補正システムを搭載している。

 本体には32GBのストレージを搭載。記録した映像はアプリを介して(Wi-Fi接続)ダウンロードするほか、本体に備えたUSB Type-C端子を介してデバイスに転送できる。

ドローン本体のUSB Type-C端子から、30分程で満充電が可能。

 着脱式のバッテリー容量は690mAhで、連続飛行時間は10分程(無風時に時速7kmで飛行)。バッテリーの充電は、ドローン本体のUSB Type-C端子を使って行い、30分程で満充電となる。ドローン本体から充電する方法のほかに、予備バッテリー+充電器付きのセットを別売りで用意している。これを使えば、2本同時のバッテリー充電が可能となる。

バッテリー2本を同時に充電できる予備バッテリーと充電器のセット。インジケーターで充電状況を把握できる。

プロポ操作は一切不要の簡単操作 フライトモードは5つ

本体にあしらわれたモードボタン。イラストアイコンで分かりやすくデザインされており、モード選択後にスタートボタンを押せばすぐさま飛行開始。

 同社はX1 SmartをパーソナルAIカメラと呼んでいる。それは、プロポを操作しなくとも空撮を可能としていることを指し、同製品の最大特長としている。実際の取り扱い方法は、スマートフォン(iOS 12.1以上/Android 9.0以上)とペアリングし、アプリを使ってアクティベーションを行う。その設定を完了してしまえば、ドローン本体に備えられたボタンで飛行モードを選択し、スタートボタンを押せばプリセットされたモードで飛行を開始する。なお、取り扱いの説明は、電源を入れると音声で説明してくれるので非常に分かりやすい。

 パーソナルAIカメラというのは、プリセットされたモードで“自動飛行”を行うことではなく、注目したいのは撮影においてAIが使われていることだ。自撮りを簡易的に行うために「人体認識機能」が搭載されている。これは、ドローンを飛行させ、カメラで人の姿を捉えると、自動で人を認識して撮影してくれるという機能で、これを応用することで各プリセット飛行が可能となっている。なお、自撮りを前提としたドローンなだけに、通常のドローン同様にアプリ画面から自由自在に操縦することはできず、あくまでも人を認識し、人を中心に自動飛行する。

アプリは分かりやすいイラストで表現。各モードの設定をそれぞれカスタマイズすることも可能だ。

 パーソナルAIカメラによるフライトモードは、空中で静止しながら人物を撮影し続ける「ホバリング」をはじめ、人の動き(時速25kmまで対応)に追従し、常に追いかけてくるように移動して撮影する「フォロー」、人を中心に斜め上方に飛びながら撮影する「ズームアウト」、人の周囲を360°ぐるっと回りながら撮影する「オービット」、人の真上に上昇しながら撮影する「俯瞰撮影」の5つのモードが用意されている。それに加え、細かく設定を変更できるアドバンスドモードも利用できる。

【ホバリングモード】

ホバリングモード。デモンストレーションの様子。
ホバリングモード。X1 Smartで実際に撮影した動画。

【フォローモード】

フォローモード。デモンストレーションの様子。
フォローモード。X1 Smartで実際に撮影した動画。

【オービットモード】

オービットモード。デモンストレーションの様子。
オービットモード。X1 Smartで実際に撮影した動画。

【ズームアウトモード】

ズームアウトモード。デモンストレーションの様子。

【俯瞰モード】

俯瞰モード。X1 Smartで実際に撮影した動画。

HOVERAir X1 Smartの下に手をかざすと、手の平へと自動的に着陸する。
デモンストレーションを行ったマルチクリエイターのKionaさん。ジャンルレスの映像を作るマルチクリエイターとして活動中。(Instagram:https://www.instagram.com/kiona_produce/

 デモフライトを実際に見てみると、ビジョンセンサーなどによって安定した飛行が伺える。自撮り棒では撮影できないアングルでも撮影が可能な、自撮りのバリエーションを広げてくれる機体となっている。

 実際に飛行させてみると、最初の設定から飛行させるまで音声案内をしてくれので、ほとんど説明書を必要とせず簡単に自撮りが可能だ。撮影は飛行した所から自動で録画を開始し、アプリで撮影ボタンを押すといったわずらわしさもない。ドローンの飛行開始後は、スマホを持たずにハンズフリーで自撮りを行うことができ、最後にドローンの下に手の平をかざせば着陸して完結できてしまう。また、撮影した動画は、写真加工アプリのように「美肌」「やさしい」「明るいオレンジ」など、10個のエフェクトが用意されており、色味を変えて楽しむこともできる。

 デモンストレーションを行ったマルチクリエイターのKionaさんは、「ハンズフリーになることで撮影の幅が広がるのではないか」と話す。「例えば、サイクリング中の自撮りや、室内での料理動画の撮影など、さまざまな撮影シチュエーションに使えるのではないか」という。

▼HOVERAir X1 Smart(製品ページ)
https://jp.thehover.com/

▼Makuake シネマティックな瞬間をすべて記録してくれる『HOVERAir』AI飛行カメラ
https://www.makuake.com/project/hover/