2025年4月9日、NTTビジネスソリューションズ佐賀ビジネス営業部(以下、NTTビジネスソリューションズ)と地域創生Coデザイン研究所は、佐賀県鹿島市、太良町の2市町の地域のSDGsに向けた取り組みの一環として、2024年9月より「多良岳広葉樹資源解析業務」を実施していることを発表した。

 鹿島市と太良町は佐賀県の西南端に位置し、西に多良岳、経ヶ岳等の1,000m級の山岳があり、市町・森林組合・森林所有者と連携を取りながら、高度な多面的機能を有する森づくりを行っている。また、森林の水源涵養(かんよう)機能の維持・向上、海洋保全や海苔養殖の活性化のため、広葉樹を中心とした植林事業も行っている。

 これらの取り組みの一環として、NTTビジネスソリューションズと地域創生Coデザイン研究所は、ICT(ドローン、画像認識AI等)を活用した広葉樹の植栽状況のデジタル化(数値化)、土壌分析による土壌の状況のデジタル化(数値化)を行った。

【実施目的】

  • 広葉樹の植林事業による植栽状況や環境への影響を確認する

【実施内容】

  • ドローンと画像認識AIによる広葉樹の資源解析を通じた資源量の把握
  • 土壌分析による物質の動態の確認
  • 広葉樹資源解析や土壌分析などを通した環境評価

【実施期間】

  • 2024年9月~2025年2月

 この結果、ドローンと画像認識AIを活用することで、広葉樹の植栽状況(資源量)のデジタル化を実現し、森林の樹種・樹高・蓄積・CO2吸収量等を推定できた。

写真:森林の画像に重なって表示された広葉樹の植栽状況
広葉樹の植栽状況(資源量)のデジタル化
写真:森林の画像に重なって表示された広葉樹の樹冠の識別結果
広葉樹の樹冠の識別結果

 また、土壌分析により、土壌の含有成分等をデジタル化し、エリア・樹種ごとの土壌環境を明らかにしたほか、森林環境における物質循環について確認した。

 ドローンと画像認識AIを活用することで、森林調査にかかる労力を大幅に削減し、効率化できることがわかった。これまでの植林事業を通じて、森林蓄積・CO2吸収量が増加し、土づくりにも貢献していることが確認でき、植林事業の有効性が明らかになってきた。

レーダーチャートで示された各地の土壌の状況
土壌の状況のデジタル化

 この取り組みを通して、ICTを活用した森林のデジタル化により、森林蓄積およびCO2吸収における植林事業の効果が確認できたため、今後も植林事業の継続と森林管理を実施するとしている。また、植林による河川や海洋への影響を確認していく。