2024年4月22日、リバネスは「ドローンからシードボール(植物の種を土で覆うことにより作製)を投下する機構」に関する特許を出願したことを発表した。この技術により、もろいシードボールを壊さずに1つずつ送り出し、ドローンと併用することで等間隔に落下させることが可能になる。

 リバネスなど14社は、「森林と人とが共生する自律社会システムの実現」をビジョンに、あらゆる分野の技術を融合し開発を実装する「リバネス・フォレスト・プロジェクト」に取り組んでいる。今回特許を出願した機構は、同プロジェクトの研究成果の1つ。

 同研究は、ドローンを使用して上空から木の種子を撒くことで、鉱山跡地等に植林を行うことを目指している。発芽が難しい環境でも種子が発芽するように、種子の周りを土で覆った「シードボール」と呼ばれる状態で投下し、最低限の栄養素を種子に供給する。発芽の必要があるためシードボールは硬く固めることができず、扱いが難しいことから、これまでは一度にまとめて投下する機構であった。そこで、種子を効果的に撒くため、シードボールを1つずつ投下可能な機構を開発した。

 同社は今後、現在手動で行っているドローンや投下機構の操作を、飛行からシードボールの投下まで全自動で行うことを目指す。将来的に、その地域に適した樹木の選定、育苗ポットの機能を備えたシードボールや苗木等の開発、射出機能付きドローンや自律型苗移植機等の関連技術の開発を行い、完全自動で森林の再生を行うことを目標とする。

『リバネス・フォレスト・プロジェクト』とは(1年目の活動まとめ)/シーダー機構が駆動する様子(1:38~)