2024年2月22日、ニデックは、グループ会社ニデックモータと、個人向けeVTOL(電動垂直離着陸機)を製造するイスラエルのAIR VEV(以下、AIR社)が、2人乗りeVTOL機「AIR ONE(エアワン)」の生産モデル開発向けモーターの共同開発について合意したことを発表した。

2人乗りeVTOL機「AIR ONE」

 AIR社は、2018年にイスラエルで設立された個人向けeVTOLの開発・製造企業。同社が開発中のAIR ONEは、すでに1,000台以上の予約を獲得しており、機体認証取得後に初期受注分の納入を行う予定である。

 今後、AIR社およびニデック子会社のニデック・エアロスペースは中型eVTOL専用モーターを設計・開発し、次世代空モビリティ(Advanced Air Mobility、以下AAM)業界において、まだどの企業も参入していない分野の開拓を目指すとしている。

 ニデックは今後AIR社と共同で、航続距離が最大100マイル(約160km)の高効率モーターの開発を目指すとしている。なお、この事業は米国とイスラエル間の革新的なクリーン・エネルギー共同研究を推進する産業研究開発財団BIRD(Binational Industrial Research and Development)による資金援助を受けている。

各社コメント

AIR VEV CEO共同創業者 ラニ・プラウト氏

 モータはあらゆる乗り物の心臓部である。AIR ONEの生産を前進させるために、ニデックというモータ市場において一流企業と評判が高いメーカーと協業できるということはとても素晴らしい。このパートナーシップはAAM業界全体にとり大きな転機となるだけでなく、当社の使命、そして個人で駆ける空の旅を可能にするという当社の夢の実現に向けた一歩となる。

ニデック・エアロスペース CEO ビンセント・ブラレイ氏

 ニデックのモータに関する専門知識と、当社の世界各地の製造能力を、AIR社の革新的なeVTOL機のために活用し、自由な個人での空の旅の実現を夢見る人々に、高機能モータを使用いただけるということで、我々もワクワクしている。当社の妥協を許さない品質基準と技術力は産業界全体において数十年にわたり広く信頼されており、AIR ONEを利用される方々が安心して使うことのできる安全性の高い航空製品向けモータを製作できることを非常に嬉しく思う。