三菱地所は、日本航空(JAL)、兼松と、2022年から参画している東京都「都内における空飛ぶクルマを活用したサービスの社会実装を目指すプロジェクト」において、2024年2月10日より新丸ビル屋上と臨海部をつなぐ航路で、ヘリコプターを使用した計5日間の運航実証を開始した。

 今回の実証実験では、公募による一般モニターが搭乗。搭乗時の顧客体験上の課題抽出や適性価格調査を通じた事業性検証、都心部において空飛ぶクルマを運航した際のオペレーション確認、音や風の周辺環境への影響などの技術的検証を主な目的としている。

 空飛ぶクルマの活用は、都市部での渋滞解消、交通インフラが不十分な地域での移動手段の提供、災害時の利用などの社会課題解決に加え、移動時間の短縮などの利便性向上、観光等の特別な体験価値の提供など幅広い展開が期待されている。

 三菱地所は、2022年に空の移動革命に向けた官民協議会に参画し、アウトレットモールでヘリコプター遊覧事業を展開してきたほか、今回の東京都の実証をコンソーシアム代表企業として受託する等、先進的な取り組みを推進してきた。

 同社が展開する商業施設、ホテル、空港拠点などを起点としたサービス活用も視野に入れながら、空飛ぶモビリティの社会実装に向けて取り組むとしている。

モニターが搭乗する様子(新丸ビル屋上)
大丸有エリア(大手町・丸の内・有楽町地区)/空飛ぶモビリティ・Vertiportイメージ(Designed by Mitsubishi Jisho Design)
コンセプトムービー「移動が変わり、ビジネスが広がる」

実証実験概要

実証の目的
一般モニター搭乗時の顧客体験上の課題抽出
適性価格調査を通じた事業性検証
都心部において空飛ぶクルマを運航した際のオペレーション確認
音や風の周辺環境への影響などの技術的検証

プロジェクト実施者
実施主体:三菱地所、日本航空、兼松
運航協力:朝日航洋

実施日
2024年2月10日(土)、2月11日(日)、2月12日(月)、2月17日(土)、2月18日(日)
10:00から16:00まで、1日あたり最大6便

運航ルート
都内3地点(新丸ビル屋上、ゆりかもめ青海駅南側特設会場、東京ヘリポート)間を5つの航路で運航。搭乗時間は約15分。

モニター人数
約70名(予定)※2023年12月12日~2024年1月14日の期間で一般公募

運賃
1万7,600円/名(税込)

各社役割

三菱地所プロジェクト全体取りまとめ
不動産アセットなどへの空飛ぶクルマ用離着陸場実装に向けた課題、解決策の提示
運航実証を行うロケーションの提供
日本航空空飛ぶクルマ運航サービスビジネスモデル検討
運航および離着陸オペレーション実証の企画
兼松海外での技術、規制動向などの提供
空飛ぶクルマ用離着陸場運営サービスにおけるビジネスモデル構築
※2020年よりVertiport開発・運営等を行うSkyportsと業務提携
大丸有エリアを飛行する空飛ぶモビリティイメージ(Designed by Mitsubishi Jisho Design)

実証実験の様子(2024年2月10日)

新丸ビルに向かうヘリコプター
新丸ビルに着陸する様子
離陸の様子(ゆりかもめ青海駅南側特設会場)
一般モニター受付(行幸地下通路)
一般モニターの飛行時の様子
アンケート調査の様子
新丸ビル34階に設置した騒音計
新丸ビル34階に設置した超音波風速計と鉛直照射型ドップラーライダー