2024年2月5日、テラドローンは、三井物産、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、朝日航洋、小川航空、JR西日本イノベーションズ、ウェザーニューズ、Qsol(以下、コンソーシアム)と、Vertiport(VTOL機専用の陸上ヘリポート)を含む空飛ぶクルマの通常運航とイレギュラー運航のシナリオについて、システムを利用した実証実験を実施したことを発表した。

 同実証は、大阪府「令和5年度空飛ぶクルマ都市型ビジネス創造都市推進事業補助金」、大阪市「令和5年度空飛ぶクルマ社会実装促進事業補助金」、兵庫県「空飛ぶクルマ実装促進事業補助金」の公募事業に共同で「エアモビリティ統合運航管理プラットフォーム事業」を提案し、2023年9月に採択され実施したものである。

実証実験会場(左)と仮想Vertiport上空周辺を確認飛行するドローン(右)

実施概要

日時 :2024年1月16日(火)
実証実験会場 :大阪府咲洲庁舎(大阪府大阪市住之江区咲洲)
仮想Vertiport :大阪ヘリポート、森ノ宮(大阪城公園)、尼崎フェニックス事業用地、大阪三井物産ビル、新神戸駅、夢洲(大阪・関西万博会場)
内容 :多種多様な航空機の協調的な運航管理プラットフォームの構築に必要な技術的検証

【実証システム構成図】
D-NET:JAXAが研究開発を進める災害救援航空機情報共有ネットワーク。航空機の位置情報の統合表示、有人機運航計画策定が可能。
Terra UTM:離陸前の飛行計画や飛行時の位置情報をもとにドローンの運航を管理するシステム。
Foster Links:航空気象ネットワーク。気象予報と現況の表示が可能。
NAST:航空機運航・整備管理システム。航空機の運航、整備に関する情報を一元管理。

 同プロジェクトでは、2021年度に有人機と無人機、空飛ぶクルマ運航管理システムの連携実証、2022年度はこれにVertiport運航支援ネットワークを追加して実証実験を実施した。3年目となる今年度は、咲洲庁舎に設置した実証実験会場において「D-NET」と「Terra UTM」を介してデータ連携を行うことで、航空機の協調的な運航管理を実施。また、気象・災害情報と仮想Vertiportの施設情報を提供することで、空飛ぶクルマの通常運航とイレギュラー運航のシナリオについて、システムを利用した実証実験を行った。

【実施したシナリオ】
1. 大阪ヘリポートから森ノ宮Vertiportまでの通常運航
2. 森ノ宮Vertiportから夢洲Vertiportへの運航中に、緊急地震速報による大阪ヘリポートへの経路変更というイレギュラー運航

仮想Vertiport上空周辺を確認飛行するドローン

 テラドローンは、実証実験会場で管理している仮想Vertiport周辺を飛行するドローンについて、Terra UTMによる運航管理を行った。また、飛行中のドローンから見た仮想Vertiport周辺の映像をTerra UTMを介して実証実験会場に中継したほか、Terra UTMを介して無人機の飛行情報をD-NETに連携した。

Terra UTMの画面
Veriportのイメージ
ヘリコプターが着陸する様子