2023年12月8日、ANAホールディングス(以下、ANAHD)、Joby Aviation、野村不動産は、日本における電動エアモビリティeVTOLの離着陸場(バーティポート)開発に向けた共同検討に関する覚書を締結したことを発表した。都市部を中心としたバーティポート開発に向けた事業的・技術的検討、社会受容性を得るための取り組み、戦略的パートナーシップ構築に向けた検討等を共同で進めるとしている。

 eVTOLとは、電動モーターで複数の回転翼を動かして垂直離着陸する小型航空機を指す。「空飛ぶクルマ」とも称され、渋滞の緩和や温暖化への対策等、新たなモビリティとして世界各国で開発が進んでいる。

 ANAHDと米国カリフォルニア州に本社を置くJoby Aviationは、2022年2月のパートナーシップ締結後、電動エアモビリティの運航サービス実現に向けた事業検討を行うとともに、首都圏・関西圏を中心に利便性の高いエリアへの離着陸場設置に向けた各種調査や検討を進めている。

 野村不動産は、東京都の「東京ベイeSGプロジェクト 令和5年度先行プロジェクト」においてeVTOL用浮体式ポートを核とした、陸海空のマルチモーダルMaaS(Mobility as a Service)実現に向けた実証事業を推進するなど、次世代モビリティの早期の社会実装に取り組んでいる。

 Joby Aviationが開発を進めるeVTOLは、電動で低騒音、最大航行距離は約100マイル(160km)超、最高速度は200mph(約320km/h)。5人乗り仕様で、都市圏でも便利で快適な移動体験を実現するよう設計されている。