2023年10月13日、コアは、内閣府「2023年度 みちびきを利用した実証事業」に採択された、準天頂衛星システムみちびきの信号認証サービスに対応した国産ドローンの開発に向けた実証実験を、楽天グループ(以下、楽天)、ACSLと共同で実施することを発表した。

なりすまし技術によるドローンの盗難や事故の誘発

セキュリティ対策が求められるGNSS
 自動運転やドローンの自律飛行技術では、自己位置を取得するためにGNSSが広く利用されており、悪意のあるユーザに誤動作させられないためのセキュリティ対策は極めて重要である。GNSS受信機の位置を狂わせ、ドローンや自動車、船舶等を本来とは違うルートに誘導するGNSSスプーフィング(なりすまし)技術が大きな脅威となっている。

GNSSスプーフィングを防ぐ、みちびき信号認証サービス
 GNSSスプーフィング対策として、みちびきでは2024年度に信号認証サービスの導入を予定している。みちびきから配信される電子署名情報と受信機があらかじめ保有する公開鍵を利用し、衛星からの正常な信号かどうかを判別することで、妨害信号を遮断する。みちびきは日本独自の衛星であるため、他国に依存することなくGNSS信号のセキュリティを担保できる。

みちびき信号認証サービスの概要

みちびき信号認証サービス対応ドローンの開発・実証

国産ドローンのセキュリティ向上
 ドローン市場では、中国製ドローンがシェアの8割以上を占めているが、情報漏洩など安全性に関する懸念がある。今回、信号認証サービスに対応することで、国産ドローンの競争力であるセキュリティ機能をさらに強化し、安全性・信頼性の向上に貢献する。

物流利用を想定した実証実験
 信号認証サービス対応受信機をコアが開発し、受信機を搭載するドローンをACSLが開発する。追加機能は、GNSSスプーフィングを受けた際のドローン操縦者への通知機能や航行停止機能となる。実証は、楽天の協力によりドローンの物流利用を想定した環境において行う予定。例えば山間部では、公共の交通網が利用しにくいうえ、高齢者が多いため移動の負担が大きいなどの課題があり、ドローンの活用が期待されている。

実証実験のイメージ