2023年9月1日、ふたばは、国立環境研究所、東北工業大学、大阪大学、日本大学との共同研究「地域資源循環を促進するドローンとAIを活用した森林資源推定・予測システム」の開発に成功したことを発表した。

 同研究により、放射能汚染によって現状利用が困難な浜通り地域の森林資源を有効活用するとともに、広域での森林資源量の推定と将来成長予測を正確に行い、エネルギー事業、材木資源事業、環境事業等に対して持続可能なサービスを提供するとしている。

対地高度50mで計測したドローンの航跡(上)、地上1m高の空間線量率分布(下)
解析から推定した樹冠形状および樹頂点
森林の将来成長予測結果

放射能の影響が残る森林の管理

 東日本大震災での原子力災害の影響から、浜通り地域の森林は管理ができていない。一方、気候変動による極端な現象などにより、これら未管理の森林からの土砂災害リスクが高まることが予想されることから、森林資源の推定手法の開発が求められていた。

 同技術開発は、放射能汚染により現状は利用が困難な浜通り地域の森林の管理に資することを目的としている。ドローンによるレーザー計測と機械学習技術、森林モデリングの技術を統合し、広域での毎木(樹木個体)レベルの森林資源量の推定と将来成長予測を行うシステムである。

 この開発により、木質バイオマスを利用する産業や製材業、福島県産材を利用した産業の新規創設、雇用の創出が期待される。

技術開発の具体的項目

森林内の地上線量率計測
ドローンによる森林レーザー計測
計測した森林3次元点群データから機械学習等による毎木データ(樹頂点座標、樹高、胸高直径、樹種)の推定
毎木データからシミュレーションによる森林の成長量予測
上記4項目についてユーザーが自身の環境で実行できる