2023年5月8日、APEXは、ドローンやVTOLで取得した写真データをAIで判読することで、森林調査業務を自動化する機能を開発したことを発表した。

 同社が運用する「Simple-Point」は、ドローンからの画像や点群データ解析を自動化するためのデータ解析マルチプラットフォームである。これまで管理することができなかった大規模な森林全域を、AIにより画像、点群データのどちらも自動解析することで森林を適切に管理し、デジタルツインを使用することで現実世界の森林とデジタルの森林を比較して、森林の変化を追跡することが可能になる。これにより、問題が発生した場合でも早期に対応できる。

 世界のカーボンクレジット量は森林が発行総量の約半数を占めており、森林管理の価値が大きく見直されている。デジタルツインとドローン・AIを活用することで、より正確で効率的な森林管理の実現が期待される。

実装する主な機能

樹木の自動分類
 樹木の分類にAIを使用することで、高精度で正確な樹木の識別を行う。AIは、樹木の形状、葉の形、枝の分岐など、複数の要素を分析して樹木を識別。従来の手作業に比べて、より正確に識別する。
 森林内の樹木の状態を正確に把握することで、適切な管理計画を策定可能。またAIは機械学習によって、将来の森林成長や炭素吸収量などを予測することができる。

分類の指定
AIに学習させている様子

樹木の本数計算
 ドローンを使用した広域のデータ取得とAIによる自動判読により、大量の森林データを収集し、短時間で正確な本数を割り出す。従来の手作業にかかる人件費と作業時間を大幅に削減する。

樹高計算、幹の太さ計算
 ドローンのデータから樹高をAIで計算し、森林の成長状況を容易に把握可能。これにより森林の維持管理に適正な手法が決定でき、森林の炭素吸収量の正確な計測につながる。