2023年7月21日、オプティムは、次世代水稲栽培技術「ストライプ・シード・シューター・テクノロジー」を発表した。

 オプティムが開発した種籾を打ち込むパーツ「ストライプ・シード・シューター」を自動航行ドローンに取り付けることで、従来のドローン直播で主流であった「散播」(※1)ではなく、苗の生育リスクが低く、収量が期待できる「打込み条播」を行うことができる。

 OPTiMスマート農業サービスにおいて、水稲潅水直播コントラクターサービス「ドローン打込み条播(じょうは)(※2)サービス」として提供する。

※1 不規則、無作為に種を圃場にばら撒く栽培方法。
※2 圃場に一定の間隔で平行に種を撒き、「すじ」のような状態にする栽培方法。

 同技術は、石川県農林総合研究センター農業試験場とオプティムをはじめとするコンソーシアムが、農研機構生研支援センターが実施する「革新的技術開発・緊急展開事業(うち経営体強化プロジェクト)」において研究した成果を基に、2023年にオプティムが開発した。

 均平のとれた代搔き(しろかき)(※3)後の圃場に、種籾を地中約0.5~1.5cmに打ち込むことで、コーティング剤を施さない催芽(※4)籾(さいがもみ)の状態でも、直播栽培の障害である鳥害や、種籾の酸欠による発芽不良を防ぎ、安定的な初期成育が期待できるという。

 ストライプ・シード・シューターは、打ち込み強度を調節することで、鉄コーティング(※5)や一部コーティング剤にも対応し、土壌条件や圃場特性を加味した播種が可能。複数の独自技術により種籾の詰まりを防ぎながら排出を定速・定量化して、打ち込み時の種籾の広がりを防ぎ、通常のドローン播種ではできない条(※6)形成を実現する。

※3 圃場に水を張り、土を攪拌した後にならして平らにしていく作業。
※4 一定の温度下で種籾に吸水させ発芽がはじまる状態にすること。
※5 種籾を鉄粉でコーティングする手法。鳥害を防止する効果がある。
※6 撒いた種が発育し、「すじ」のような状態をつくること。

ストライプ・シード・シューター・テクノロジーによる、播種後の苗立ち。2023年度新潟県新発田市:品種 いただき、播種後37日(左)、2023年度青森県黒石市:品種 まっしぐら、播種後35日(右)。

ドローン打込み条播サービス

 オプティムの専属パイロットが、ストライプ・シード・シューター・テクノロジーを用いて灌水直播を行うサービス。水稲の灌水直播に最適な深度へ種籾を打ち込むと同時に、条形成を実現する。これにより、生産者は高額な設備投資をせずに、低コスト栽培である潅水直播栽培体系を導入することができる。

サービス参考価格
10a当たり4,400円(税込)~
1件当たり、300a(3ha)~(団体、複数生産者での申し込み可)

田植機や通常のドローン直播手法との違い