人と接して街で活躍する“サービスロボット”
RoboBus/自動運転ミニバス
「RoboBus」は、自動運転技術を活用した小型の電動ミニバスである。開発したのは、中国に本社を置くPIX Movingだ。日本では、ピクセルインテリジェンスが開発・製造を担っている。車両は近未来的なデザインが特徴で、乗車体験そのものを楽しめるモビリティとして設計されている。
車両は最大6人乗りで、イベントではオペレーター1名が同乗し、乗客は5人まで乗車可能。通常のバスのようなハンドルやアクセル、ブレーキペダルは備えておらず、専用のコントローラーによって自動運転モードと手動モードを切り替える仕組みとなっている。
今回のイベントでは、高輪ゲートウェイの会場内に設定されたルートを走行。事前にハンドヘルド型の計測機器で取得したマップデータをもとに走行ルートを構築し、行きは自動運転モード、帰りは手動モードで走行する形で試乗体験が行われた。車両はLiDARを中心としたセンサーで周囲の環境を認識し、人物や障害物の位置をリアルタイムで検知しながら走行する仕組みだ。
動力は100%電動で、イベントのような運用では1日稼働してもバッテリーに問題はないという。これまでの走行実績は主に私有地などの閉鎖空間が中心だが、今後は公道での実証実験も計画されている。公道走行の場合、現在の制度ではオペレーター同乗のレベル2自動運転として時速20km未満での走行が想定されており、将来的には完全無人運行となるレベル4の実現を目指している。
こうした自動運転モビリティは、スマートシティにおける新たな移動手段として期待されており、将来的には街の移動インフラの一部として活用される可能性もある。高輪ゲートウェイのような新しい都市空間は、その実証フィールドとしても注目されている。
RakuRo(ラクロ)/自動運転歩行速モビリティ
「RakuRo」は、ROBO-HIが開発した自動運転型のパーソナルモビリティである。人が乗車して移動できる小型ロボットで、歩行者と同じ空間で走行できることが特徴だ。見た目は小型の乗り物だが、自動運転技術を搭載したロボットモビリティとして開発されている。
RakuRoは、後に紹介する同社のデリバリーロボット「DeliRo」と同じプラットフォームをベースにした兄弟機で、物を運ぶDeliRoに対し、人を運ぶ用途として設計されている。最高速度は時速6kmで、歩行者に近い速度で安全に移動できるよう設計されており、最大100kgまでの乗員が利用可能だ。
操作は基本的に不要で、目的地を設定すると自動運転で走行する。搭載されたセンサーによって周囲の人や障害物を認識しながら移動し、現状は遠隔による目視での確認を行いながらの運用となる。利用者は乗車するだけで目的地まで移動できる仕組みとなっている。
またRakuRoは、道路交通法における「遠隔操作型小型車」の型式認定を取得しており、公道での走行が可能な自動運転モビリティである。人が乗車できるタイプとしてこの認定を受けている機体は国内でも珍しく、新しいモビリティとして注目されている。
高輪ゲートウェイでは、RakuRoに乗って夜の街を走行する「ナイトサファリ」というイベントを実施するなど、来街者が自動運転モビリティを体験できる機会を提供している。将来的には、街の移動手段のひとつとしての活用も期待されている。
MIMO C3 cargo e-scooter/折りたたみ式電動スクーター
「MIMO C3」は、シンガポール発のスタートアップMIMO Motorが開発した折りたたみ式の電動スクーターである。シンガポール国立大学(NUS)の卒業生が立ち上げた企業によって開発されたモビリティで、現在は東南アジアのスタートアップの日本展開を支援するプログラムを通じて、日本での展開も検討されている。
最大の特徴は、荷物の運搬と移動を両立できる構造だ。車体前方には最大50kgまで積載できる荷物スペースを備えており、乗員は最大120kgまで乗車可能。電動スクーターは荷物の収納スペースがないことから、大きな荷物を運べる仕様にすることで日常使いをさらに便利なものへと変化させる設計となっている。
さらに、車体は折りたたみが可能で、コンパクトに収納できる点も特徴のひとつだ。折りたたんだ状態で持ち運んだり公共交通機関に持ち込んだりすることも想定されており、駅までの移動や駅から目的地までの移動といった「ラストワンマイル」の移動手段として開発された。
現在はヨーロッパを中心に販売が進んでおり、すでに約100台がユーザーに納品されている。利用者は一般ユーザーのほか、デリバリー業務やペットの移動など、さまざまな用途で活用しているという。前方の荷物スペースはカスタマイズも可能で、用途に応じた使い方ができる点も特徴だ。
DeliRo(デリロ)・Servi Lift(サービィリフト)/自動運転・走行配送ロボット、
「DeliRo」は、ROBO-HIが開発した自動配送ロボットである。高輪ゲートウェイでは、街の広場など屋外エリアを走行するデリバリーロボットとして運用されている。
このロボットの大きな特徴は、公道走行に必要な要件を満たしている点だ。道路交通法に対応した設計となっており、警察が定める安全基準をクリアすることで、公道を走行できるデリバリーロボットとして開発されている。そのため、外観は小型の車両のようなデザインを採用している。
高輪ゲートウェイでは現在、2台の配送ロボットが稼働しており、そのうちの1台がこのDeliRoである。イベント時には来街者向けのデリバリー体験などにも活用されている。街全体が本格オープンすることで、レジデンス棟など離れた施設まで配送できるようになると期待されている。
もう一方の自動走行配送ロボットが「Servi Lift」だ。屋内環境での配送業務を担う自動走行型のデリバリーロボットである。DeliRoと同様に配送サービスを担うが、Servi Liftは屋内専用のロボットとして設計されている点が特徴だ。
機体はスリムなデザインで、オフィスビルの廊下など比較的狭い空間でもスムーズに走行できる。搭載されたセンサーによって周囲の人や障害物を検知しながら移動するため、歩行者とすれ違うような場面でも安全に回避しながら配送を行うことが可能だ。小回りの利く機動性を活かし、オフィスフロアやバックヤードなど屋内の配送業務に適したロボットとなっている。
Servi Liftの特徴の一つが、ビル設備と連携した自律移動である。ロボットはビル管理システムと通信し、自らエレベーターを呼び出して乗り込み、目的のフロアへ移動することができる。実演では、上階で待機していたロボットがエレベーターを自動で呼び出し、乗り込んだ後に1階へ降りてくる様子が紹介された。さらにエレベーターを降りた後は、セキュリティゲートも自動で通過し、指定された場所まで自律走行で移動する。
実際の配送サービスは、専用の「高輪ゲートウェイシティアプリ」から注文する。利用者がアプリで商品を注文し決済を行うと、ロボットが指定された場所まで商品を配送する。商品は街の商業施設「ニュウマン高輪」の店舗や、施設内の食堂などから届けられる。受け取り時は、注文者のスマートフォンに表示されるQRコードをロボットのカメラにかざすことで、収納ボックスが開く仕組みとなっている。
