写真:展示ブースでELIOS 3を手に持つスタッフ

 ドローンソリューションを提供するブルーイノベーションは11月26〜27日、大阪市で開催された「第2回 Japan Drone 2025 in 関西」で、同社が国内独占販売する狭小空間点検用ドローン「ELIOS 3」を展示し、点検用ペイロードを紹介した。

写真:UTペイロードを搭載したELIOS 3
UTペイロードを搭載したELIOS 3。

 ELIOS 3は、スイスのFlyability社が開発した非GNSS環境向け屋内点検用ドローンだ。3Dマッピング用LiDARを搭載しており、リアルタイムで3Dデータを取得することで周囲の空間や障害物を把握することが可能だ。人がアクセスできない構造物内や地下環境でも高い安全性と作業効率を両立する。2025年1月に埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故では、下水道管内の損傷状況把握に投入され、迅速な現場判断に寄与した実績もある。

老朽化構造物点検を変える「UTペイロード」

 会場で注目を集めたのが、ELIOS 3に搭載できる「UT(Ultrasonic Testing)ペイロード」だ。これは鉄やコンクリートなど壁面の厚みを超音波で測定し、老朽化の進行度を把握するための装置で、Flyabilityと英国Cygnus Instruments社が共同開発したもの。

写真:UTペイロードの管の先端部分
UTペイロードの先端部分。ここを壁面に接触させ、超音波で壁面の厚みを測ることができる。

 ELIOS 3の外周から突き出したセンサー部分を壁面に直接押し当てることで、厚みを正確に測定できる。従来、構造物の厚み測定には足場の設置が必要で、コストや安全性の面で大きな負荷があった。ドローンによるUT測定であれば、人が立ち入れない高所・危険箇所でも足場不要で点検でき、結果として大幅な省力化とリスク低減を実現する。

 ブルーイノベーションは2024年から同ペイロードの国内提供を開始しており、すでに火力発電所や製鉄所など大型プラントの点検に活用が広がっている。同社担当者は「老朽化が進む製鉄設備では、足場を設置すること自体が困難な現場もあります。UTペイロードを備えたドローンは、補修計画立案や進行管理を効率化する重要な技術になると考えています」と強調した。

非GNSS環境での自動帰還──LiDARベースの新機能も発表

 今回の展示では、ELIOS 3が狭小空間や下水道などGNSSの届かない環境で飛行した際に、LiDARで取得した周囲データをもとに自律的に障害物を回避しつつ、最短ルートで出発地点に戻る新機能も披露された。屋内点検では、操縦者の視認が難しい環境下で迷走や行き止まりが発生するリスクが高いが、この自動帰還機能は安全性の劇的な向上に寄与する。

 ブルーイノベーションは、今後もELIOS 3のペイロード拡充とソフトウェア進化を進め、老朽化構造物点検の高度化と省人化を支える技術基盤としての位置づけを強化していく考えだ。

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