2025年5月28日、KDDIスマートドローンとあいおいニッセイ同和損害保険(以下、あいおいニッセイ同和損保)は、ドローンの普及促進や社会課題の解決、新規事業の創出に向け、業務提携に関する覚書(MOU)を締結した。
ドローンはインフラ点検や測量、物流、災害対応などさまざまな分野で急速に活用が進んでおり、能登半島地震での被災状況調査にも活用されるなど、その普及への期待が高まっている。一方、専門知識や技術を備えた人材育成、運航の安全性を高めるための環境整備など、さまざまな課題がある。
業務提携の概要
【専門的な知識や技術を備えた人材育成】
- あいおいニッセイ同和損保の関連会社であるあいおいニッセイ同和自動車研究所内に、KDDIスマートドローンが運営する「KDDIスマートドローンアカデミー 静岡裾野校」を、2025年6月をめどに開校予定。
- あいおいニッセイ同和損保が持つドローン向け保険の事故データを活用した「ドローン操縦に関する事故防止プログラム」を策定し、KDDIスマートドローンアカデミーにおいて展開する。あいおいニッセイ同和損保のドローン向け保険における事故の約70%は、ドローン操縦者の操作ミスが原因となっている。同プログラムでは、発生頻度の高い実際の事故をもとにした事故の再現イメージと対処方法を学習することで、操作ミスによる事故の低減を図る。
- 災害時のドローン活用拡大に向けては、全国の自治体職員や企業の従業員など幅広い受講者層を対象に、ドローン活用に関する知識と技術の習得機会を提供するとともに、災害・事故現場での被災状況調査に特化した新コースの共同開設を検討し、調査手法の高度化と業務効率化を目指す。
【KDDIスマートドローンアカデミー受講者向け専用保険の開発】
- 安全なドローン運航の環境整備に向け、KDDIスマートドローンアカデミーで事故防止プログラムを受講し、一定条件を満たす者を対象に、合理的な保険料で加入可能な専用保険を開発する。
- 主な補償内容は、墜落等による機体損傷の修理、対人対物事故の賠償などをセットしたもので、2025年7月をめどに提供する。
【ドローンサービスと保険商品サービスの一体提供プログラムの開発】
- KDDIスマートドローンが展開しているインフラ点検サービスと、あいおいニッセイ同和損保の保険をパッケージ化し、事故の未然防止、損害の極小化、万が一の補償を一体で提供するソリューションを、2025年をめどに提供する。
- 昨今老朽化を原因に被害が発生している上下水道についても、点検サービスを事業化し、保険をパッケージすることで同ソリューションのラインナップ拡充を目指す。
今後両社は、将来的に予想されている自動運転ドローンの多方面での活用など、共同の取り組みを進めるとしている。