レーザースキャナーで定評のあるリーグルは、リーグルの「VUXコンソーシアム」に加入している各社と共に、TLS(地上型)とMMS(車載型)、ULS(ドローン)用各種レーザー計測システムの展示と、各システムを搭載するために最適なドローンを取り揃えてコンプリートシステムとして提案・紹介した。リーグルとしては過去最大規模の出展となった。
用途にあわせた豊富なレーザースキャナーシステムとドローンの組み合わせを提案
展示ブースで目を引いたのはVUXコンソーシアムのネクシス光洋が展示した空解のVTOL固定翼ドローン「QUKAI MEGA FUSION 3.5」+「VUX-120-23」の組み合わせだ。最大航続距離400km、最大ペイロード10kgとパワフルな機体で、最高速度は150km/h、最低速度は40km/h。新開発のセルモーター付き40ccガソリンエンジンを水平飛行用パワーユニットに採用し、圧倒的な長距離長時間飛行を可能とした。電動の離着陸パワーユニットとのハイブリッド仕様になっている。このパワフルな機体にセットされていたのは、2020年発売のモデル「VUX-120」から筐体はそのままに性能がアップグレードされた新モデルのNFB(Nadir/Forward/Backward)スキャンUAV LiDARセンサー「VUX-120-23」。100°の広い視野角(FOV)と最大2.4MHzの非常に高速なデータ取得スピードで、高点密度のコリドーマッピングアプリケーションに最適なシステムだという。同モデルの測定ビームは、直下、前方+10度、後方-10度の3つの異なる方向を連続してスキャンする。これにより、特に構造物の垂直面や狭い峡谷のような困難な環境でデータ取得が可能とのことだ。
VUXコンソーシアムのドロニクスE&Pが展示したFreefly Systems社の「Alta X」にもVUX-120-23がセットされていた。最大ペイロード15.9kgで最大飛行時間50分の長時間飛行を実現したマスプロダクションタイプのドローン。オープンソースのPX4フライトスタックを採用しており、UART、I2C、CANインターフェースを持つ、さまざまなオプションセンサーやアプリケーションを利用できる機体だ。機体の上部と下部にクイックリリースシステムを備え、多様な機材をセットできる。
VUX-120-23は、ドローンのほかジャイロコプターなどの小型有人飛行機、ヘリコプターにもスムーズにセットできるが、プラットフォームとしてはスキャンラインの特性上、固定翼タイプが最適ではないかとのことだった。
その他のドローン用レーザースキャナーは、UAVグリーンレーザースキャニングシステム「VQ-840-G」、ハイエンドLiDARシステム「VUX-SYS」、LiDARシステム「miniVUX-SYS」が紹介されていた。
VQ-840-Gは、水面下の地形、陸上の地形ともに計測可能なグリーンレーザースキャニングシステム。ラインスキャンではなく、ALB(航空レーザー測深)と同様の円形スキャンを採用することで屈折補正の精度を安定させ、より正確な地形データを取得できる。標準2Secchi Depthの測深能力。透視度の水層高の2倍まで計測が可能なのが本モデルの最大の性能ポイントだ。水中の標的物体や構造物の位置・形状を高精度に把握できる。河川、海岸線での浅瀬のマッピング、砂防ダムの堆砂量や水叩部・洗掘状況調査、河川災害等の調査などでの活用が想定される。
VUX-SYSは、VUX-1スキャナー、IMU/GNSSユニット、コントロールユニット、そして2つの高解像度カメラ(オプション)で構成されている。精密な光ジャイロスコープ(FOG)とGPS/GLONASS受信機の組み合わせによって、優れた測定能力を発揮する。
miniVUX-SYS は本体重量約2.3kgと軽量コンパクトなモデルで、miniVUXスキャナー単体と高精度なIMU/GNSSで構成されている。
リーグルのドローン用レーザースキャナーは、豊富なラインアップが揃っており、導入においても全国各地にVUXコンソーシアム各社があるので、用途にあわせた提案・サポートも万全の体制が整っているという。
#建設・測量生産性向上展2024 記事