群馬県太田市に本社を置く国産ドローンメーカーである石川エナジーリサーチは、10月に東京ビッグサイトで行われた「2024国際航空宇宙展」に、無振動ガソリンエンジンとバッテリーを搭載し、ハイブリッドをコンセプトにした開発中の「ハイブリッドフライヤー」と「パラレルハイブリッドフライヤー」の2機種を展示した。

 同社は2010年、元本田技研工業の技術者らが設立。熱エネルギー利用技術や無振動エンジンなどを開発し多くの特許を所有している。2020年からはバッテリーを原動力とした測量用や農業用ドローンの製造・販売を行ってきた。

長時間の運用を目指すハイブリッドドローンを開発中

写真:ボディの一部が緑色の「ハイブリッドフライヤー」
「2024国際航空宇宙展」で展示された石川エナジーリサーチの「ハイブリッドフライヤー」

 ハイブリッドフライヤーは125ccの無振動エンジンを搭載して最大離陸重量34kg(ペイロードは5kg)。ガソリンエンジンで発電した電気をバッテリーで推進力に利用するハイブリッドエンジンで約90分、距離は約80km飛行することが可能。カメラを搭載して写真測量や空撮などの業務に対応する。昨年、福島で行われた実証実験で50kmの長距離飛行にも成功している。

写真:展示された「パラレルハイブリッドフライヤー」
石川エナジーリサーチの「パラレルハイブリッドフライヤー」。ドローンとしてはひときわ大きさが目立つ。

 一方、パラレルハイブリッドフライヤーは800ccの大型エンジンを搭載したヘキサコプターだ。最大離陸重量149kg(ペイロードは60kg)。この機体の特徴は、機体に近い2基のメインローターをエンジンで直接駆動させて大きな推力を得ており、機体から離れた4基は電動で姿勢制御などの役割を担う“併用”(パラレル)仕様となっている。飛行時間は90分を目指す。機体サイズは横幅が3.5mと大型で、主として物資輸送などの使用を想定して開発が行われている。同社は、ハイブリッドフライヤーは来年末に販売、パラレルハイブリッドフライヤーは2~3年後の販売開始を目指しているという。

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