協栄産業株式会社は、2024年7月24日から26日に東京ビッグサイトで開催された「メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2024」の一部である第10回国際ドローン展に参加した。ドローンによる空輸や空中ドローン・水中ドローンによる点検サービス、さらに大学などと共同研究している計測・点検システムなどの展示を行っていた。

パートナー連携で全国をカバーした空輸サービス

写真:展示ブースの様子。ドローン運搬パートナーの展示コーナー。手前には赤いボディのドローン。
パートナー各社とドローン運搬サービスを全国展開

 協栄産業は、半導体・FA事業とシステム開発事業を核に、最新のエレクトロニクス、モジュール・生産装置、これらを統合するシステム開発を提供している。その取り組みのなかで、ドローンやロボット、AI関連ソフトウェアを活用したソリューションを展開している。

 特に注目を集めているのが、ドローンによる空輸サービスだ。サイトテックや中電工業、Le Ciel DRONE、やまびこドローンといったパートナーと協力し、全国にサービスを提供している。さまざまな機体を備え、最も大きな機体では最大55kgの荷物を運搬できる。主なターゲットは社会インフラ事業者などで、物流や災害救助、土木建築、林業、農業、各種調査などでの実績がある。

 空輸サービスパートナーの一社である中電工業株式会社は送電線鉄塔の塗装工事を行っており、これまで人が運んでいた塗装用の部材の運搬にドローンを活用している。中電工業が2023年に運んだ荷物の重量はおよそ12トン。これまでの運搬で事故も災害も起きてないという。

写真:展示ブースの様子。手前には白いボディのクワッドコプター(ドローン)。機体の奥のモニターには上空から地上を撮影した景色が映っている。
中電工業が実施した、山間部の鉄塔塗装の部材を運ぶ動画も紹介

 担当者は「お客様からは運搬能力の向上が求められていて、航空法の範囲のなか、もっと重い物を一度に運べる能力が必要だと感じています」と語った。

AI×ドローンによる点検や非破壊鉄筋計測システムと下水道点検ロボットの取り組み

 また、インフラメンテナンス領域の点検請負サービスでは、空中ドローン、水中ドローン、ロボットによる点検サービスを展示。AIメンテナンスソリューションとして、ひび割れ検知AI、巡視用自動飛行ドローンシステム、さび検知AIなども紹介された。

写真:水中ドローンSDQ-101。水色を基調としたボディで、正面から見ると角のない三角形のような形状。
下水処理場の点検でも活躍する水中ドローンSDQ-101

 さらに最新技術として、大阪大学産業科学研究所と共同研究している非破壊鉄筋計測システムの展示もあった。これは磁気を利用するもので、水分が多いとずれてしまう電磁波レーダーの弱点を克服し、鉄筋計測において高い精度が期待できるという。加えて立命館大学と共同研究する下水道圧送管点検カメラ付き自走式ロボットの展示もあった。これまで困難だった、内径100mm以下の管路点検の実現を目指している。

写真:「カメラ付き自走式ロボット」と「新規非破壊鉄筋計測システムの創出」の説明パネル
大学と共同研究するインフラ領域の次世代技術

 担当者は「特に下水管やトンネルなどのインフラ系では人手不足が深刻で、新しい技術を使って効率よく点検を行うことが期待されています。インフラ系の現場ではニーズが非常に高いと感じています」とコメントした。

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