国内外で製造する3Dレーザー機器や測量用撮影カメラと関連するソフトウェアを販売しているオーピーティーは、SHARE社製ドローン搭載用カメラ、CHCNAV社製の高精度ドローンレーザー「AA450」、その他SLAMハンディ3Dスキャナー、360°モバイルマッピングシステムなどを展示していた。ドローンで空から、SLAMで地上をスキャンし、それぞれのデータを統合することによって、より精細な3Dマッピングデータの作成を提案していた。

ドローンに搭載できるLiDARレーザー、一眼カメラ、オブリークカメラの展示ブース。
こちらはハンディタイプのスキャナーがずらり。写真左からハンディ3Dスキャナー「Artec Leo」、室内外用3Dスキャナー「DPI-10」、室内用高精度3Dスキャナー「DPI-10 3D」、360°SLAM・モバイル3Dスキャナー「Trion P1」。
同社は、空からはドローン、地上ではSLAMとそれぞれのデータを統合することによって、より高精細な3Dマッピングデータの作成を提案していた。画像はドローンの高精度一眼カメラのデータ、オブリークカメラのデータ、SLAMのデータを統合した例。

死角が発生しにくく、広域測量に向く5眼オブリークカメラ「SHARE 304S PRO」

5眼オブリークカメラ「SHARE 304S PRO」。5方向を同時に撮影することができる。サイズはジンバル付きで182.5mm×203mm×196.6mmで重量は1280g。

「SHARE 304S PRO」と「SHARE PSDK 102S V3」は、垂直×1、斜めカメラ×4(前方、後方、左方、右方)の5方向を同時に撮影することができる5眼オブリークカメラ。死角が発生しにくく、部分的な偏りがない重複した画像が取得できるため高精細な三次元モデルが作成できる。こうした特徴から利用シーンとしては、都市モデル、景観シミュレーション、構造物や急傾斜面の測量、建設現場、事故現場、災害状況の確認、鉄塔や電線離隔の調査が想定される。

5眼オブリークカメラ「SHARE PSDK 102S V3」。サイズはジンバル付きで171mm×192mm×185mm、重量は1100g。
並べてみると304S PRO と比べてPSDK 102S V3(写真右)がやや小さいことがわかる。

 304S PROは高解像度のSONY IMX455センサーを搭載し、1レンズあたり6100万画素、合計3億500万画素。PSDK 102S V3は1レンズあたり2500万画素、合計1憶2500万画素を実現。

 304S PROは、フライト中のカメラの映像は5眼を切り替えてモニターでき、視覚的な明瞭さを確保するために、距離に基づいてビットストリームを自動的に調整する。

カメラインタフェースはDJI Skyport。

 両モデルともDJI Matrice 350 RTK/300 RTKに搭載可能で、その他のドローンについては未確認とのこと。

測量に最適なレンズキャリブレーション

ドローン搭載用のフルサイズ一眼カメラ「SHARE 4500X」。SONY IMX455センサーを搭載し、高解像度で撮影できる。レンズは40mmまたは56mmから選択する。

 SHARE社製の「SHARE 4500X」(展示モデル)と「SHARE 6100X」は、ドローン搭載用フルサイズ一眼カメラで、測量用に最適化されたレンズキャリブレーション済みであることが特徴。重量は、どちらもジンバルなしで280g、ジンバルありで640gと小型で軽量なボディとなっている。

 両カメラともレンズは40mmまたは56mmからの選択となり、絶対精度は0.2cm GSD。有効ピクセル数は4500Xが4500万画素、6100Xが6100万画素。6100Xの56mmレンズでは4K動画の撮影も可能だ。

 写真計測ソフトウェア(3DF Zephyr Lite)が無料で付属し、自動処理機能で、写真から3Dモデルを自動で構築することができる。

カメラインタフェースはDJI Skyport。4500Xについては、オプションで他のドローンにも対応する。

 DJI Matrice 350 RTK/300 RTKに搭載可能。オプションでその他のドローンにも対応する。

 道路や鉄道の構造物、建物のコンクリート壁、歩道橋や地下道、既設の橋梁や橋台の調査診断、構造物のひび割れ発見などに使用されているという。

LiDARとカメラが一体化 点群データと写真データの同時取得が可能

国産の石川エナジーリサーチの「ビルドフライヤー」にも搭載できるドローンレーザー「AA450」。

 CHCNAV社製高精度ドローンレーザー「AA450」は、LiDARと写真測量向けの2600万画素カメラ(校正済み)が一体となっており、約30分の飛行でおよそ2km²のエリアの点群データと写真データの同時取得が可能だ。これにより、写真を点群データ上にオーバーラップすることで簡単にカラー点群データを生成でき、地形データを詳細に把握しやすい。国土地理院「UAV搭載型レーザースキャナーを用いた公共測量マニュアル(案)」に準拠しており、生産性向上要件証明書が発行されている。

機器寸法は128×128×675mmで重量は1kgと小型・軽量。このコンパクトなボディにLiDARと2600万画素カメラを搭載。利便性が高いUSBタイプCポートも搭載しているので、データの転送などに便利。

 搭載するLiDARレーザーはLivoxAviaで、最大450mの長距離をスキャン可能。対地高度100m、速度10m/sの場合、200ポイント/m²の密度で、約2km²のエリアから点群データを取得できる。写真測量用カメラはデジタル一眼カメラと同等のAPS-Cのセンサーサイズを搭載しているため、高画質で鮮明な撮影が可能だ。

 またCHCNAV社が独自設計した「CoPreソフト」が付属。CoPreは、LiDARのraw(未加工)データ用プリ・プロセス・ソフトウェアで、独自設計アルゴリズムによるPOS処理、ワンボタン処理、シンプルさと効率性、点群処理、画像照合、深度マップ、データの色付け機能の全てが利用可能となっている。クラウド処理を行っていないため、費用は発生せず無料で利用することができる。

 DJI Matrice 350 RTK/300 RTKをはじめ、国産ドローンの石川エナジーリサーチ「ビルドフライヤー」、ロボデックスの水素燃料電池ドローンに搭載できるという。

 AA450は2022年から販売は開始しており、高性能で437万8000円(税込)とリーズナブルな価格帯であることから順調に販売実績を伸ばしているという。

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