警備業界にドローンソリューションを展開している綜合警備保障(ALSOK)は警備会社としてのノウハウと潤沢なパイロット数を活かした、警備業界の課題を解決するドローンソリューションとして、ドローン自動巡回サービスやドローン橋梁点検サポートなどを展示した。

 近年の警備業界は労働環境の見直しや人員不足解消が業界全体の課題となっており、課題解決のためにDX化(デジタルトランスフォーメーション)を導入する警備会社も増えてきている。ALSOKが提供しているドローンソリューションはまさに、警備業界におけるDX化を推進するサービスだ。

警備会社だからこそ開発できた「ドローン自動巡回サービス」

 ALSOKが提供するサービスの中で特に警備業界の課題解決に寄与するサービスとして、ドローン自動巡回サービスが挙げられる。ドローン自動巡回サービスは名称通り、ドローンを自律飛行させ、巡回中に不審者や火の気などのトラブルを確認した場合は、すぐさま警備員が駆け付け、人間とドローンを効率よく連携させる警備システムだ。ALSOKでは米国製のSkydioを使用してドローン自動巡回サービスを提供しており、WiFi環境がある場所においてはドローンからクラウドにアップロードされた情報を人間が確認・チェックする形で人員不足や労働環境を改善する流れとなっている。

 担当者によると、Skydioの操縦に使用する標準アプリでは1つの飛行コースしか設定できないが、ALSOKが開発した独自アプリを組み込むことで複数の飛行コースでの巡回警備をできる状態となっており、これにより警備会社としての特徴・色を引き出しているとのことだ。また、本サービスで使用する機体はSkydioとジャパン・インフラ・ウェイマークが共同で開発したドローンであり、カメラによる全方位の画像処理をリアルタイムに実施できるため、GPSがない環境でも安定した飛行・警備ができるようになっている。

ジャパン・インフラ・ウェイマークとALSOKが共同展開する「ドローン橋梁点検サポート」

 ALSOKはジャパン・インフラ・ウェイマークと共同でドローンサービスを開発・展開しており、ALSOKはジャパン・インフラ・ウェイマークの指導のもと、2022年9月現在では自社ドローンパイロット数を50人近く育成している。ジャパン・インフラ・ウェイマークは2019年の設立からNTT西日本グループとして点検サービスのノウハウを培ってきた、インフラ点検支援ソリューションを提供している企業だ。ジャパン・インフラ・ウェイマークがALSOKと共同で橋梁点検サポートや外壁点検サービスを展開することで、より多くの顧客に手軽かつリーズナブルな点検サービスを提供している。橋梁点検サポートではALSOKの自社パイロットがドローンを操縦するため、顧客側は新規で機体を購入する必要もパイロットを育成する必要もなく、必要に応じて橋梁点検を実施できるという体制を取ることができる。

 ALSOKの担当者は「警備業界でのドローン活用に対して、ある程度ドローンで自動化するとはいえ、人間が現場に駆けつけたり操縦したりすることは今後も続いていくと考えているため、今後は警備業界としてのノウハウを活かしながら、人間とドローンの連携サービスを充実させて警備を固めていきたい」と語った。

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