ミライト・ホールディングスのグループ会社であるミラテクドローンは、10月27日から29日の期間、千葉県の幕張メッセで開催したJapan IT Weekにブースを出展し、東光鉄工が開発した純国産ドローンの取り扱いとともに、災害調査向けのワンストップサービスを発表した。

全天候型で災害調査に対応した国産ドローンの取り扱いを開始

 同社が新たに発表した災害調査向けサービスは、機体の販売、リース、保守メンテナンス、スクール、運用代行を提供するワンストップ型で、機体の提供から運用までをサポートする。取り扱うドローンは東光鉄工が開発した国産の「TSV-RQ1」(東光レスキュードローン)で、風速18m/sの中でも飛行可能とする耐風性能に加え、IP55の防塵防水構造によって全天候に対応するなど、近年、日本各地で増加している風水害での活用を可能にしたドローンだ。また、さまざまな搭載ユニットによって災害活用の幅を拡大していることも、東光レスキュードローンの特長であり、夜間での捜索活動を可能にした赤外線カメラ(640×480VGA)のほか、高度100mから夜間の地上視認が行える8000lmの高輝度LEDライト、光学31倍・デジタル32倍ズームの可視光カメラ、上空100mから大音量で避難誘導などの呼び掛けを行うハイパワースピーカー、さらにはリリース機能を備えた物資運搬装置(最大重量2kgまで)が用意されている。

 東光レスキュードローンについてミラテクドローンの佐々木代表は「近年、国産ドローンに対する要望が増加傾向にある。東光レスキュードローンは国産製のフライトコントローラーを採用し、セキュリティーにおいても安全性が高いことから取り扱いを決定した。また、純国産ドローンのなかでも全天候型はほとんど無く、災害対応に最も適したドローンといえる」と話した。

幅広いドローン運用ノウハウを有したミラテクドローン

 ミラテクドローンは、通信建設事業やITソリューションを提供するミライト・ホールディングスのグループ会社として2020年7月に設立。ドローン事業を専門に通信設備の点検や測量、稲・芝生・植林等の生育調査といったセンシング業務を展開しており、全国51カ所に拠点を構え、パイロットは155名と全国をカバーするドローンの運用体制が敷かれている。

 2021年7月に静岡県熱海市で発生した伊豆山土砂災害でドローンによる情報収集支援を行った。災害発生から7日後に現地入りし、国土交通省の緊急災害対策派遣隊であるTEC-FORCEがドローンで撮影したデータをもとに、オルソ画像を生成し、Google Earthに重ね合わせることで、地形の変化を3Dモデルで直観的に把握してもらい、復旧の策定などに役立てられた。こういった災害時の取り組み実績や、点検業務等で培ったドローン運用のノウハウは、災害調査向けサービスのスクール事業やスタッフを派遣した運用サービスに活かされている。

 ミラテクドローンは同サービスの一環として、JUIDA認定校による災害調査向けのスクールを展開。通常のフライトスキルの習得に加え、東光レスキュードローンを使った飛行訓練を実施する。災害現場での運用方法をはじめ、3Dモデル生成のための撮影飛行の方法、さらにはSfMソフトを使った3Dモデルの生成手順や使い方のレクチャーがカリキュラムに含まれている。

 同社はドローンメーカーとは異なり、特定の機種やサービスに限定されないメニューを強みとしており、利用者は搭載ユニットやソフトウェアを選択することができる。また、そういったカメラや測定機器に対する専門知識を有したスタッフが揃っており、最適な組み合わせを提供していく。