無人航空機操縦士は、無人航空機を安全に運航させるために必要な知識・技能を保有する人材であることを証明する国家資格だ。制度名称は無人航空機操縦者技能証明制度。
従来のドローンに関する資格は民間資格のみだったが、レベル4飛行解禁に伴い、より安全に無人航空機を運航できる人材を増やすための国家資格が2022年12月より導入された。無人航空機操縦士は操縦ライセンス制度や技能証明と呼ばれることも多い。
無人航空機操縦士の等級ごとの違い
等級は一等・二等が用意されている。一等無人航空機操縦士はレベル4飛行実施可能条件の1つであり、カテゴリーⅢ飛行を安全に運航できる技能の保有者と認定される。
二等無人航空機操縦士はカテゴリーⅡ飛行を安全に運航できる技能の持ち主と認定されるため、カテゴリーⅢ飛行を実施する条件として使用することはできない。
一等及び二等各保有者は取得した資格区分に限り、型式・機体認証を受けている機体を飛行させる際は一部の飛行における飛行許可承認申請が免除される。
なお、カテゴリーⅢ飛行の実施には一等無人航空機操縦士の取得が必須条件となるが、カテゴリーⅠ・Ⅱ飛行においては国家資格の取得は必須ではない。従来どおりの飛行許可承認申請によって飛行させることが可能だ(2023年10月現在)。
無人航空機操縦士の試験
無人航空機操縦士の試験は学科試験、実地試験、身体検査の3つだ。取得するには、すべての試験を独学で受験するか、登録講習機関を利用し、修了審査に合格して実地試験の免除を受け、学科試験と身体検査のみ受験して取得するどちらかの方法から選ぶ必要がある。
一等無人航空機操縦士の各試験は二等無人航空機操縦士よりも合格基準が高く設けられているため、一等無人航空機操縦士の方が難易度が高い。
無人航空機操縦士で取得できる資格内容は、使用する無人航空機の種類及び無人航空機による飛行方法が細かく分かれており、基本の日中飛行・目視内飛行に受験者が用途に合わせて任意で追加する限定変更という形式だ。そのため、使用する機種や飛行方法に応じて実技試験が追加される。