ドローンによる農薬散布の請負受託サービスなどを展開しているSkyFarm(スカイファーム)は6月27日、DJIの農薬散布用ドローン「Agras MG-1」シリーズに散水ホースを装着するアタッチメント「散水ホースアタッチメントシステム」のデモンストレーションを千葉県君津市で行った。このシステムはMG-1にSkyFarmが開発した専用のノズルを装着し、農業用の動力噴霧機とホースで接続することで、大量の薬剤を散布できるというもの。同社ではこのシステムを利用してソーラーパネル洗浄、温室ハウス洗浄サービスを始めるとしている。
MG-1のバッテリー1本で約130リットルの薬剤を噴射可能
SkyFarmは農薬散布サービスを展開する長野県のグローバルリングと、ドローン機器販売・サービス企業のワイズ技研が共同で運営するドローンサービスのブランド。散水ホースアタッチメントシステムはワイズ技研が開発・販売を行い、グローバルリングがこのシステムを使用したサービスを提供する。
散水ホースアタッチメントシステムは、MG-1シリーズの脚部に取り付けたブームの左右端に、動力噴霧機(動噴)用のノズルが取り付けてあり、中央のジョイントに動噴からのホースを接続することで、薬剤や水を散布できる。ノズルは霧状だけでなく水流を絞って高圧に噴射することが可能なため、高圧洗浄機のような使用方法が可能となっている。
こうしたMG-1からの空中散布・噴射では、薬剤をMG-1のタンクから供給する場合、散布・噴射量はタンク容量の10リットルが限度となる。しかし、このシステムを使用すれば薬剤は動噴から供給されるため、その散布・噴射量にタンク容量の制約は受けない。事実上バッテリーの容量で決まる飛行時間いっぱいの作業が可能で、その場合の散布・噴射量は約130リットルにのぼる。また、機体のタンクに薬剤を搭載しないため、搭載した場合の約10分に比べて約14分と飛行時間も伸びるとワイズ技研の北田代表は説明する。