DJI Mavic 4 Pro サンプル映像

 佐賀県にある「大魚神社の海中鳥居」を被写体にMavic 4 Proで空撮してきたのでサンプル映像として確認していこう。

4K/60fps、D-Logにて撮影後DJI提供のLUTを当てて色補正したもの

 ラスト3カットはインフィニティジンバル→中望遠70mmカメラ→インフィニティジンバルにて撮影した映像をつなげてみたが、違和感なくアクセントになるカットを取り入れることができたのではないだろうか。

 また、Mavic 3 Proでは中望遠や望遠カメラがD-Logでは収録できず(D-Log Mでは可能)カットを組み込む際に色調整が手間だったのだが、今回のように同じロジックで色調整すれば難なく色調整ができる。実際の画角の違いは下記のとおりだ。

広角・中望遠・望遠カメラの画角の比較。同じ場所からカメラを切り替えてD-Logにて収録、DJIから提供されているLUTを当てている

 今回新搭載となったインフィニティジンバルもこれまでにない効果を与えるカットを提供できそうだ。縦構図との相性も良さそうなので、通常の映像だけでなくSNS用にインパクトのあるショート映像を制作するのもよいだろう。

連続して立っている鳥居を被写体にインフィニティジンバルで回転しながら撮影すると異世界へ連れて行かれそうだ

 Mavic 4 Proはカメラの高画質化はもちろんのこと、表現力を広げる機能強化がされているのでこれまでにない映像表現を発信していきたいクリエイターにはぴったりの機体といえよう。

まとめ DJI空撮ドローン導入比較

 空撮を楽しむならば、正直なところDJI機と他社機を比較するというよりもDJI機のラインナップの中から何を選ぶか…というところがポイントになるだろう。そこで、下記にDJI空撮機の現行ラインナップと比較のポイントを赤字で記した。

 ハイクオリティな空撮を楽しんだり、少ないチームで仕事として空撮をするならばいちばんのおすすめはやはりMavic 4 Proだ。実は、最上位のクリエイターコンボはMavic 3 ProのCine Premiumコンボよりも安いのもおすすめ理由のひとつだ。問題はMavic 4 Pro以外を選択する場合ではないだろうか。

 もし、メインカメラに24mmが必要であったり、収録にApple ProResが必要なのであればMavic 3 Proが選択肢に入るだろう。

 また、安価で手軽にMavicシリーズのような高画質撮影をするならAir 3Sがおすすめだ。メインカメラに絞り機能がないものの最大14ストップのダイナミックレンジと4K/60fpsの高画質映像を撮影でき、夜間撮影時でも全方向障害物検知を実現する前方LiDARセンサーも搭載する。上記の機能は上位機種Mavic 3 Proを凌駕するレベルだ。

Mavic 4 ProMavic 3 ProAir 3S
サイズ(長さ×幅×高さ)328.7×390.5×135.2mm347.5×290.8×107.7mm266.1×325.4×106mm
重量1,063g958g724g
カメラHasselbladカメラ(28mm):4/3型CMOS、有効画素数:100MP

中望遠カメラ(70mm):1/1.3インチCMOS、有効画素数:48MP

望遠カメラ(168mm):1/1.5インチCMOS、有効画素数:50MP
Hasselbladカメラ(24mm):4/3型CMOS、有効画素数:20MP

中望遠カメラ(70mm):1/1.3インチCMOS、有効画素数:48MP

望遠カメラ(166mm):1/2インチCMOS、有効画素数:12MP
広角カメラ(24mm):1インチCMOS、有効画素数:50MP

中望遠カメラ(70mm):1/1.3インチCMOS、有効画素数:48MP
動画最大解像度Hasselbladカメラ:6K/60fps HDRまたは4K/120fps

中望遠カメラ:4K/60fps HDRまたは4K/120fps

望遠カメラ:4K/60fps HDRまたは4K/100fps
5.1K/50fps4K/60fps HDRまたは4K/120fps
ダイナミックレンジ15.5ストップ12.8ストップ14ストップ
動画フォーマットMP4(H.264 ALL-I/H.264標準/H.265標準)
※ALL-Iはクリエイターコンボのみ対応
MP4/MOV(MPEG-4 AVC/H.264、HEVC/H.265)

MOV(Apple ProRes 422 HQ/422/422 LT
※Apple ProResはCineバージョンのみ対応
MP4(MPEG-4 AVC/H.264、HEVC/H.265)
ジンバル360°回転可能なインフィニティジンバル
70°の上向き撮影に対応
縦向き撮影には非対応
35°の上向き撮影に対応
2.7K/60fps クロップ縦向き撮影
60°の上向き撮影に対応
障害物検知0.1ルクスの夜景撮影時でも全方向障害物検知(上下/左右/前後)
前方LiDARを搭載
全方向障害物検知(上下/左右/前後)夜景撮影時でも全方向障害物検知(上下/左右/前後)
前方LiDARを搭載
最大飛行時間51分43分45分
最大伝送距離(CE/SRRC/MIC(日本))15km8km10km
内蔵SSD512GB
※クリエイターコンボのみ
1TB
※Cineバージョンのみ
非対応
価格512GBクリエイターコンボ(DJI RC Pro 2付属):49万7,860円

Fly Moreコンボ(DJI RC 2付属):35万5,850円

DJI Mavic 4 Pro(DJI RC 2付属):27万7,200円
DJI Mavic 3 Pro Cine Premium コンボ(DJI RC Pro付属):53万6,580円

Fly More コンボ(DJI RC Pro付属):44万5,500円
Fly Moreコンボ(DJI RC 2付属):20万9,000円

Fly Moreコンボ(DJI RC-N3付属):18万8,100円

DJI Air 3S(DJI RC-N3付属):15万480円

 空撮機ならば、DJI製品を購入しておけば間違いはないと言っても過言ではないだろう。Air 3Sの登場で一部Maivc 3 Proを超える性能を持った下位モデルが出てしまいバランスが崩れた感もあったが、今回のMavic 4 Proのデビューでわかりやすいラインナップになったのではないだろうか。あとは機能を把握したうえで、適切な機種・パッケージを選択すれば必ずあなたの満足がいくクオリティのパフォーマンスを発揮するに違いない。