デジタル庁は、2025年度「複数モビリティの分散協調運行基盤等の在り方に関する実証調査研究」として、複数のモビリティが分散協調して安全・円滑に運行するために必要となるシステム全体のアーキテクチャ、共通データ基盤の仕様等について、サービスロボットによる実サービスを想定したユースケース実証を行い、その報告書を2026年4月1日に公開した。

 近年の少子高齢化や人口格差、物流需要の増加などの社会課題に対する解決策として、モビリティの活用が求められている。一方、モビリティの活用機会は依然として限定的であり、その課題として「(特定事業者への)責任の集中」「経済性の確保」「技術的・精度的な課題」が挙げられている。

 この課題に対し、複数モビリティが連携しながら運行することで事業者の負担を軽減する「分散協調」が有効であるとして、2023、2024年度にかけて「複数のモビリティの協調運行のための実証調査研究」を実施。分散協調アーキテクチャの可能性と複数モビリティが同一エリアで走行する場合の課題を確認し、これまでの検討成果を踏まえたアーキテクチャ像を策定した。

 2025年度は、前回の課題を踏まえて、施設内・施設内屋外での協調運行のルールや実装するためのアーキテクチャ案を検討する。また、社会実装の有望なユースケースと想定されるフードデリバリーについて、サービス像やオペレーション像、収益性の要件を定めることで、民間事業者による社会実装への環境整備を行う。

分散協調運行基盤の整備の目的
(出所:デジタル庁)
この事業を通じて目指す「将来の暮らし像」
(出所:デジタル庁)

【取り組み結果】

  • ビジネスモデル/オペレーションモデル設計
    • 複数エリア展開等によりコストダウンと、フードデリバリーの売上+副業(警備・広告)などで5千円/日・台の売上獲得により収支が成立する可能性が示唆された。
    • オペレーションは、配送PFerがロボットの位置・タスク情報から配送依頼し、サービス中は位置・到着予定情報を適宜ユーザーに連携していくことが必要と想定される。
  • 協調運行に必要となる安全上のルール
     施設内同一エリアの複数台運行では、安全運行のリスクがあるエリアには複数台同時に進入させない、等の制御を基盤側で実装することが有用である。
  • 協調運行データ連携基盤上で具備が想定される機能
     協調運行データ連携基盤にはモビリティ位置タスク情報の集約、協調運行ルールの集約・制御、タスクの標準連携の機能を保持することが有望とみられる。
  • 実証実験内容
     複数台の安全運行・データ連携という観点およびフードデリバリーのサービス性という観点で2度の実証を行い、共通ルールやオペレーションの妥当性を検証した。
  • 社会普及のシナリオ
     都市部等を初期的なサービス提供地域候補としつつ、将来は郊外部/山間部までのロボット普及につなげることを目指す。
事業の結論(取り組み結果)
(出所:デジタル庁)
フードデリバリーの収益化を成立させるための考え方
(出所:デジタル庁)
システムアーキテクチャ全体像(案)
(出所:デジタル庁)


▼2025年「複数モビリティの分散協調運行のための基盤構築に関する実証調査研究」業務報告書