2025年12月11日、センシンロボティクスは、石川県の小松市消防本部と共同で、自動運用型ドローン基地「DJI Dock 3」と連携した災害対応ソリューションの実証実験を実施したと発表した。
この実証は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の補助事業である2024年度「SBIR推進プログラム(一気通貫型)」の一環として実施したもの。地震や火災などの発災時における迅速な状況把握のため、既存の高所カメラに代わるドローンの有効性を検証することを目的に、遠隔映像配信機能を持つ「SENSYN CORE Monitor」などを用いて、ドローンが取得した市内の映像をリアルタイムに確認した。
【主な検証内容】
- SENSYN CORE Monitorによる遠隔映像配信の検証
消防本部屋上のDJI Dock 3からドローン「DJI Matrice 4T」を飛行させ、SENSYN CORE Monitorを用いてその映像を本部に投影し、遅延や画質に問題がないことを確認した。 - 遠隔操作とリアルタイム投影の確認
消防本部内会議室からPCを使って東出張所に設置したDJI Dock 3を遠隔操作し、その映像を本部でリアルタイム投影できることを確認した。
この実証実験の結果、高所カメラよりも高い視点からズームカメラを用いて撮影することで、広域の情報把握が可能であることを確認した。また、SENSYN CORE Monitorを通じて、ドローンが撮影する映像を遠隔から確認し、画質や遅延等に問題がなく、実運用を見据えた最適な設置場所を検討することができた。
自律運用型ドローン基地の活用により、指令から現場の状況把握までの時間を大幅に短縮でき、発災直後の初動対応の迅速化が期待される。また、SENSYN CORE Monitorを組み合わせることで平時の施設点検や巡回などにも活用できる。
さらに、広域で多角的な映像によって被災状況や被害規模を正確かつ迅速に把握可能。取得した映像は発災時に異常の有無がわかる水準であり、事故や煙の発生などの一次確認に活用できる有効な手段となることを示した。
今後、小松市消防本部は、実証実験の結果を踏まえ、さらなる迅速な災害対応と減災に向けた体制構築を目指す。センシンロボティクスは、今回の成果をもとに、ソリューション開発プラットフォームSENSYN COREの活用を通じて、より高度で実用的な災害対応の取り組みを進めるとしている。
