2025年12月10日、デザミスと宮城県酪農農業協同組合(以下、宮城県酪)は、酪農現場における暑熱ストレスの軽減と生乳生産量の安定化を目的に、「酪農施設暑熱対策緊急実証事業」のモデル施工を行ったと発表した。宮城県内の6つの牛舎において、ケルヒャージャパンとスカイコードが共同開発した高圧洗浄ドローンを活用し、効率的な暑熱対策の有効性や現場導入に向けた運用面の確認を行った。
猛暑の影響により、宮城県内では生乳生産量の減少が深刻な課題となっている。宮城県酪は、組合員である酪農家が持続的に経営を行えるよう暑熱対策を強化するため、同事業を開始した。
遮熱剤の塗布前には、施工面の洗浄が必要となる。従来の屋根洗浄や遮熱剤塗布には足場設置が必要で、作業者は危険を伴い、長期間にわたる工期やコストも課題であった。
デザミスはスカイコードと業務提携契約を締結し、高圧洗浄ドローンを用いた洗浄と遮熱剤塗布を行うサービスを提供してきた。足場が不要かつ非接触で、高所や傾斜面など従来実施が困難だった場所にも施工できる。
ドローンを活用して牛舎の屋根に耐久性のある遮熱剤を塗布することで、牛舎内の温度上昇や夏場の生乳生産量の減少幅を抑えるとともに、繁殖成績の向上を目指す。
施工後の牛舎において、牛の行動モニタリングシステム「U-motion」を活用して採食時間や行動変化を確認することで、暑熱対策の有効性を判断することができる。2025年6月に徳島県の酪農家で実施したドローン施工では、前年と同等の気温環境下において、採食時間が約10%増加、横臥時間も微増するなど、牛舎環境の改善傾向を確認した。行動の変化は乳量へ影響するため、入手したデータを分析し、経営判断の材料として活用できる。
宮城県酪とデザミスは、今回のモデル施工で得た知見をもとに、組合員である酪農家への導入を進めるとともに、暑熱対策のモデル事例として全国の酪農現場へ発信するとしている。
