2026年1月29日、東京電力ホールディングスは、福島第一原子力発電所1号機原子炉建屋内のドローン調査結果を発表した。
原子炉建屋内は事故の影響により高線量化したことなどから、一部エリアで調査が十分に実施できていない。同社は1、3号機原子炉建屋内(原子炉格納容器の外側)の調査を計画し、2025年12月22日に1号機原子炉建屋内の調査を実施した。
小型ドローン
| 用途 | カメラによる映像撮影 |
| 寸法 | 199×194×58mm |
| 重量 | 243g(バッテリー込み) |
| 通信方式 | 無線 |
| 飛行時間 | 約11分 |
| カメラ性能 | 画質:フルHD フレームレート:60fps 画角:対角144°、水平131°、垂直80° 照明:LED左右2灯(計380lm) |
| 耐放射線性 | 約300Gy |
| 備考 | IP51相当、正面カメラ |
原子炉建屋1号機
水素滞留リスクのあるIC(非常用復水器)(A)について、水素パージ検討を行うため弁の状態等を確認する。調査対象はIC(A)のMO弁(電動駆動弁)(3A)と、計装ラインの一次弁。場所は原子炉建屋の1階北西エリア、2階西エリア(いずれも高所)となる。パージ操作に係る弁の状態と周辺状況の確認をドローンによる目視で、2025年12月22日に実施した。
【1階北西エリア】
計装ラインの一次弁の状態等の確認を目的に調査を実施。小型ドローンと中継器を設置し、対象エリアまで飛行させて調査を行った。その結果、IC系の計装ラインの一次弁等に著しい破損や変形、過度な腐食といった異常がないことを確認した。また、周辺状況や弁までのアクセスルートを確認し、干渉となるものがないことを確認した。
【2階西エリア】
IC系のMO弁の状態等の確認を目的に調査を実施。2階北西エリアに小型ドローンと中継器を設置して対象エリアまで飛行させて調査を行った。その結果、IC系のMO弁(3A)等に著しい破損や変形、過度な腐食といった異常がないことを確認した。また、周辺状況や弁までのアクセスルートを確認し、干渉となるものがないことを確認した。
IC(A)は事故後に原子炉格納容器内外の隔離弁の状態について調査した結果などから、炉心損傷後に隔離弁(MO-1A、4A)が開いていたと想定され、水素ガスが伝熱管内等に滞留している可能性がある。
今回の調査では、弁や配管に著しい異常が確認されなかったため、原子炉建屋1階の計装ラインを用いた窒素ガス封入・水素ガスパージができる見込みがある。また、ガスパージラインを構成するためにMO-3A弁の開閉操作が行える可能性がある。
今後、窒素ガス封入や水素ガスパージの工法詳細を検討するほか、必要に応じて弁の操作方法(遠隔もしくは人手)、空間線量率の調査を行う予定だ。
今回の調査では、1号機IC系のガスパージ作業を実施するにあたり、ラインの健全性や弁の状態、アクセスルートの確認を行い、ガスパージ作業に影響を与えるものがないことを確認した。調査結果を踏まえて、今後より詳細なガスパージ工法の検討を進めていく。また、ドローン調査の有用性が確認できたことから、今後も建屋内の状態確認等においてドローンの活用を検討していく。
原子炉建屋3号機
燃料デブリ取り出しに向けて計装ラック類の撤去が必要となった場合、配管の原子炉格納容器バウンダリ維持、閉止措置を考慮する必要があるため、弁の状態等を確認する。調査対象は、原子炉建屋の1階北西・西エリアにある計装ラック類につながっているラインの一次弁。場所は、原子炉建屋1階北西エリア、2階北西エリア、3階北東エリア(いずれも高所)。ラックの計装元弁の状態と周辺状況の確認をドローンによる目視で2026年2月以降に実施する。
