2025年11月5日、西松建設と五洋建設、KDDIスマートドローンは、自動充電ポート付きドローンを活用し、人手による測量が困難で負荷の高い立坑(たてこう)の3次元測量を実施したと発表した。周期的な飛行による土量変化の把握(進捗管理)と出来形測量を重ねることで、GNSS信号下の深部の施工箇所において、誤差±20mmという高精度な出来形データを取得することができた。
従来、立坑における連壁内面の出来形測量は、測量機器を用いて作業員2人で約2時間を要していた。また、施工サイクル上、昼間の測量ができない場合は夜間に実施していた。そのため、精度、安全性、効率性に課題があった。
- 精度の課題:面ではなく点でしか測量できないため、立坑が深くなるにつれて精度確保が困難となる。
- 安全性の課題:深度に応じた昇降や高所作業が不可避で安全対策コストが高い。
- 効率性の課題:2人1組での作業や夜間作業が必要で、多くの時間と労力がかかる。
測量作業の時間短縮と省人化を実現するため、自動充電ポート付きドローンを現場内に常設し、ドローンの遠隔測量を実施した。
その結果、誤差±20mmの面的な高精度測量を実現し、3Dデータで詳細な形状を把握できた。また、ドローンによる無人測量で危険作業を削減し、安全性が大幅に向上した。ドローンの周期的な自動飛行によって測量時間を大幅に短縮し、作業人員を最小化(省人化)した。
自動充電ポート付きドローンを活用した立坑測量(KDDIスマートドローンチャンネル YouTubeチャンネル)
今回の取り組みでは、地下空間で減衰するGNSS信号下でもドローンを安定飛行させ、面的誤差±20 mmの高精度出来形測量を実証した。立坑の掘削が進みGNSSが届かない深度に到達してもGNSS非依存で自律飛行できるドローンにより高精度な測量が継続的に実現可能か検証を進める方針だ。
